のたもた

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ブログふっかーつ!!
そんな訳で、書きたい事を書きます。

それだけです。

南の魔女クレア136

日記

突然一人の記者が「何故『南の魔女』は『北の魔女』を助けなかったのですか!?」と語気が強い口調で質問されてクレアは戸惑いました。

クレアが「何の事ですか?」との首を少しかしげ気味の返答に其の記者はイライラした様子で「其の言葉の通りです。」と言いました。

クレアが北の魔女は今は居ませんと言う返答にキリアマリ国にシドリアル王国が侵略された時は北の魔女が居たと言うのです。
彼が言いたいのは其の時何故「南の魔女」は「北の魔女」を助けなかったのかと問ている様です。

クレアは「さあ・・・何故でしょう。」と言うと怒号が飛び出しました。

クレアの返答が「南の魔女」として無責任だと言うのです。

クレアは眉間にしわを寄せて首をかしげながら「其の質問は可笑しいでしょう」と言うと彼らは更に「南の魔女」が「北の魔女」を助けて居ればシドリアル国は貴方の言う「北の魔女」の力によるあの地帯を氷土化しないで済んだのではないでしょうか!?「魔女の力」と言うのなら「南の魔女」ならあの場所を何とか出来るのではないか?いやそれ以前に「南の魔女」があの戦いの時に「北の魔女」を助けて居ればこんな事にならなかったのではないか!?と声を荒げてクレアに怒りの言葉を浴びせました。

クレアは彼らの興奮した対応に反比例するようにきょとんとして彼らを見ていました。

其れから深いため息を一つ付くと「今、何年だと思っているの?そして其の時生まれてもいない私が解る訳ないじゃない」と答えると馬鹿にした様に「其の程度の事位は常識で解る事でしょう。」とさも呆れた様に言いました。

其の態度に「魔女として無責任だ!」とか「真面目に答えろ!」とか怒りの言葉で会見城内は騒然としています。

「まるで5・6才児の知能しかないの?」とクレアは更に鼻で笑う様に言い放ちました。

一人の女性記者が悔し涙を出してます。其れを慰める様に肩を抱く男の記者がクレアをにらみつけて「貴方はシドリアル王国の苦難の歴史を解って無い」し「北の魔女を失った此の国の辛さを解って無い」と言いました。

そして「シドリアル国の魔女は「南の魔女」でなく「北の魔女」なのだから」と言いました。

クレアはすかさず「私を指導してくれた知恵の使途のフクロウは「南の魔女」のテリトリーはシドリアル国だと今のトウニ地方から南とクロエラルド国とモゾリアナ国だと聞きましたし、モゾリアナ国の神官様もそう言いました。其れが違っているのなら私は真実の鏡も使えないし龍にのってトウニまで来れないしシドリアル国内にある広大な魔女の森に入って「魔女の城」にも入れないと言う事になりますけど。」と一気に言って其れに「北の魔女」を「南の魔女」が何故助けなかったのかと言う事は当時の「南の魔女」に聞く事で私に聞く事じゃない事位は子供でも分かるでしょ!」と今度はやや「魔気」を入れて話しました。「魔気」の力で彼らを黙らせて「とんでもない言いがかりをつけた其の意図は何なの?」と今度は反対に質問をしました。

一瞬シーンとなって彼らは我に返った様に頭の中を整理している様でしばらくの間お互いに沈黙してました。

一人の記者が「確かに貴女の言った通りです。私はシドリアル王国出身では無いのでお互いのやり取りを冷静に見ていました。当時の事を知らない貴方に「南の魔女」と言うだけで其の当時の「南の魔女」がした行為の説明責任を押し付けても貴方には返答のしようが無い事は確かですと言いました。

一部の記者達が悔し涙にくれながら打ちひしがれています。

其の時白猫のハタルが「僭越ながら事情を知らない私が話をしてよろしいでしょうか」と言いました。

そして彼は昨日クレアの龍にのって「北の魔女」が氷土にした所を見に行った時に感じたのですがある程度近づくと私達が近づくのを拒絶している様な「魔気」を感じて其の氷土の上に立つ事は勿論近づく事が出来なかったのです。

其れはまるで他の魔女を拒絶している様に感じたのですが其の辺りの事情と言うか歴史についてご存じの方が居れば何故「南の魔女」が「北の魔女」を助けなかったのかが解る様に思うのですが」と言いました。

するとクレアが突然「私、其の話を聞いた事が在る」と言いました。

クレアはクレアの前の魔女が其の前の魔女に聞いた話で何故「魔女の木の家」がモゾリアナ国に在るのかと聞いた時に「ある時代の『北の魔女』がシドリアル国王に恋をしてシドリアル国王がシドリアル国を統一するのに加担した。当時の「南の魔女」は其れを批判したけど「北の魔女」と闘う程怒った訳では無かった。
其れで「北の魔女」はシドリアル国王の意向にそって「南の魔女」を其の当時シドリアル国王が統一した地域から出て行かせた。

だから当時の「南の魔女」はモゾリアナ国に魔女の木の家を作ってその後も代々南の魔女は其処に住み着いたときいた事を言いました。

後はモゾリアナ国の神官様に聞いた話で「南の魔女」の中には本来のテリトリーのシドリアル国よりもある時期からモゾリアナ国やクロエラルド国に住む魔女が多いのでクロエラルドにも魔女の為の城があるとも聞いたと言いました。

そしてもっと詳しく知って居そうな知恵の使途と言われる「フクロウの使途」が詳しく知っていたら聞いてあげると言うと涙を流して悔しがっていた女性記者が「失礼な態度を取った事をお詫びします」と言いました。

クレアは元モゾリアナ王国の人達の本音を垣間見た気がしました。

「だけどねぇ」とクレアは言いました。「私と其の糞やろうと今喧嘩中で私の前に姿を現さないんだよね」とクレアが言った途端にマキバルが「クレア、言葉が悪いです。そんな言葉を使ってはいけません。」とクレアをしかりつけました。

クレアはチラッとマキバルを見ると前を向きなおして「其の使途と私は今不仲で彼は私を避けてますので当面は無理です。」と言いなおしました。

一人の記者が「喧嘩の原因は?」と聞くのでクレアはチラッとマキバルを見るとマキバルが怖い顔をして首を横に振るのでクレアは少し上を方を見て嫌そうに「上から目線の態度がむかついたのでその旨を忌憚なく伝えました。」言いました。

白猫のハタルが「私が其の方とお会いする機会がありましたら私も其の辺りの事をお聞きして必ず貴方達に伝える様にしましょう。」と言うと場内が少し明るい雰囲気になりました。

記者会見は其れで済んで其の日の夕刊にマージから聞いた話としてクレアが子爵家の令嬢として沢山の使用人が居るお屋敷でみんなの寵愛を受けて育ったと書いてあった新聞もあったが大抵は大金持ちの家で育ち溺愛されて育った為にわがままで魔女としての指導をする使途があきれ果てて指導を投げ出したと書かれました。

其の後はリュックを背負ってトウニに買い出しに来るクレアを見ても大騒ぎをされる事も無くクレアは買い物ができたが時々「喧嘩は行けないよ。」とか「先生と仲直りで来たかい?」とか言って来るのでクレアが「あいつらが悪いんだから」とか「ほんと、むかつく奴らなんだから」と彼らの悪口を言うたびに記者達はため息をついて首を振りました。

其れでもクレアは相変わらずリュックを背負ってトウニの街をあちこち忙しそうに買い出しに通いました。