ガラクタ煎兵衛かく語りき

選挙アンケート

日記



今から10分前、我が家の電話が鳴った
登録してある50軒以内なら電話機自体が発信者の
登録名を発声する

今回はそれがなかったので
即出るつもりはない
出ないようにしている

05030900171というナンバーが着信ボタンを赤くした
すぐにスマホでググる
おっ選挙のアンケートのようだ
だったら出て良かったな

すぐさまリダイアルする
話し中のトーン
10回繰り返して通じない
そして今これを書いている



20分経った
やはりリダイアルしても通じない



どうしよう
明日再びリダイアルしたら通じるのかな
でもアンケートって期限があるよね
(大学時代、3回そんなバイトをしたっけ)
(北海道は広いから、直接面と向かって訊くんだけど
当然一晩はどっかの旅館に泊まるよ)



あれ?どこだっけ?
あらかじめ任意に選びだされた住所の、更に任意の家が
シートに明示されている
21歳のひょろひょろっとした男が
突然ドアを叩き、<何々新聞ですが、今度の選挙についてお考えを、、>


今ならアウトでしょ
いや、当時でも半分暴挙に近いかもしれない
でも、その頃の私は今と変わらない自己肯定感を既に宿していた


さんざんアンケートの趣旨を、ドア口に出てくれた若奥様に語った
それが

通じた

「あのね、こんなことは普段はしないんだけど、あなたが
真っ直ぐそうに思えたから」

そこで泣くほど私は熟していなかった
十数問の質問に真摯に答えていただき
貴重な有権者の現況の一端を伝えていただいた
最後にお決まりの粗品をお渡しして辞した




苫小牧だっけ?いや、わかんない

あっち方面は日帰りだったかな?



僕より10歳くらい上かな

そのアルバイトの報酬は1万5千円くらいだったけど
本代にすぐさま消えた



さあ、明日、リダイアルしてみよう
通じるかな?



あらためて御礼を申し上げます
こんな若僧に応えてくださった
生意気だけど半人前だったんだから
感謝しかありません

お健やかに