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日本百名山 ~ BSプレミアム ~ ④  

レジャー/旅行

こんばんは!12日(火)は、西日本から北日本では雨の降る所が多く、

所により雷を伴うでしょう。
特に、中国・四国から東北では、局地的に非常に激しく雨が降り、
大雨となる所もある見込みです。
土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒、注意し、
落雷や竜巻などの突風、降雹にも注意してください。
南西諸島は晴れるでしょう。

初夏 鈴鹿山脈の懐へ
厳しい自然に咲く
     可憐な花々
自然がつくった造形
岩壁をたどり頂を目指す

             巨岩のワンダーランド
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                御在所岳

*この番組は2020年8月に放送したものです

○イラストレーター 朝日陽子さん

朝日陽子さんは山岳雑誌などで活躍するイラストレーター。
山の経験を活かした可愛い絵柄で人気です。
御在所岳には四季を通して、お隣の愛知県から通い、
その魅力を知り尽くしています。

*撮影:6月下旬

前回はゆるぎ岩という所までの紹介でした。
今回はいよいよ山頂を目指します。

<山旅スケッチ>

御在所岳の北東にある高さ400m、
幅800mの巨大な岩の壁、藤内壁(とうないへき)。

○藤内壁

昭和の初めに切り開かれ、その後、クライマーたちのトレーニングの場として
親しまれてきました。

*長野県山岳協会 提供

○加藤幸彦

この壁で腕を磨いた加藤幸彦(かとうゆきひこ)。
当時、登るのが最も難しいとされていた7000m峰、
ギャチュンカンに初登頂を果たしました。

○1964年 ギャチュンカン 初登頂

○尾崎隆

子供の頃から御在所岳に通い詰めた尾崎隆(おざきたかし)。

○1980年 エベレスト(チョモランマ)
 北壁初登攀(ほくへきはつとうはん)。

エベレスト北壁を世界で初めて登り切りました。
この藤内壁に半世紀以上登り続ける増井行照(ますいゆきてる)さん。

○増井行照さん(72)

この壁からアルプスやヒマラヤに挑んできました。

「人生の大部分をこの御在所の中で過ごしてきた。
 自分の庭みたいなもの、大事に扱っていきたい」

そして、今も多くの若者達がこの壁から世界を目指しています。

女性の方「将来、ほんと将来パタゴニアとかに行きたいですね。
     その中、練習がここで進めたらなって思っています」

クライマーたちが夢を抱いて登り続ける藤内壁です。

御在所岳の山頂を目指す途中、もう一つの巨岩へ。

「石門(いしもん)です」

○石門

石で出来た大きな門みたい、何だか神々しいな~。

「上にも登って行けるので、ちょっと行ってみます」

石門の上に登ると。
そこは自然が創った展望台だ。

「緑の絨毯みたいですね~」

ヤシオツツジなどの新緑がどこまでも広がる。

岩だらけの登山道が整備された道に変わった。

「あそこが山頂ですよ~、もう少しですね~」

今日は一日絵を描いたり、寄り道したり、楽しみながら登って来た。

○御在所岳(1212m)

「は~い、御在所岳山頂に到着しました~。
 1212mまで上がって来ました。
 お疲れ様でした~」

ありがとうございました。

山頂近くの展望台へ。

「わ~、気持ちいいですね~。
 鈴鹿の山が一望出来ますよ~」

○雨乞岳

西に聳える雨乞岳(あまごいだけ)。
北に目を向けると。
50kmに渡って連なる鈴鹿山脈が一望出来る。

○御池岳

最高峰の御池岳(おけだけ)も奥に望める。

「琵琶湖です。
 ちょっと霞んでますけど、なんとな~く見えてますよ」

○琵琶湖

遥か向こうには琵琶湖が光っている。

○イラストレーター 朝日陽子さん

「何か1200mの山って聞くと、
 どうせ低山でしょ?っという風に思いがちなんですけど、
 岩あり、景色も開けてたり、樹林があったり、バラエティーに富んでいて、
 山の楽しいとこを凝縮してるな~と思います。
 岩と~、植物の組み合わせが、もうそれだけで芸術品なので、
 もうそれを描くっていうことが楽しかったです」

夏の初め、巨大な岩と思いっきり戯(たわむ)れ、
御座所だけの懐(ふところ)の深さを体で感じた山旅でした。

名古屋から車で1時間余り、御在所岳が見えてきました。
中道登山口で朝日さんと待ち合わせをしました。
朝8時に出発をしました。
まずはミズナラやコナラ等の広葉樹の森を登って行きました。
いきなり急な登りでした。
登山道の雰囲気が変わりまして、石の階段が登場です。
花崗岩で出来ていまして、凄く脆く、人が沢山歩いて、
石が削られまして、自然に出来た階段でした。
しばらく行きますと強風で根こそぎ木がなぎ倒されていました。
それほど厳しい自然な場所です。
そして、巨大な岩が現われました。
幾つもの岩がゴロゴロと転がっていました。
この巨岩はおばれ岩といいまして10mもあります2枚の巨岩が
重なり合っていました。
元々は一つの岩でそれがパッカリと二つに割れ、傾いたようです。
1時間程登りますと稜線に出まして、景色が開けました。
ロープウェーも見えました。
また大きな岩が見えました。
地蔵岩という下の岩が胴体で上に乗っていますのがお地蔵さんの頭のようです。
標高900mまで登って来ますと、白い花崗岩の稜線が
再び緑に包まれまして、御在所岳の懐に入って行きました。
こちらにはアキアカネという赤とんぼが避暑をしにやって来たそうです。
秋になりますと、街に下っていくそうです。
しばらく行きますと、このコースの中で一番怖いスリルのある場所へ到着です。
キレットといいましてスッパリと切れ落ちました断崖絶壁を下りました。
鎖はありますがあくまで補助、三点指示で一歩一歩下って行きました。
そして、再び森の中を進みました。
ハナニガナやコアジサイ、ホナガタツナミソウ、ササユリが咲いていて、
とても美しかったです。
出発から2時間、標高は1100mを超えました。
四日市の街並みや伊勢湾が見渡せました。
午前11時、再び出発をしました。
エゾハルゼミの大合唱でした。
そして鹿もいました。
そして天狗岩という幾つもの切れるが走る花崗岩の岩がありました。
さらに、ゆるぎ岩では両足を動かしまして、
朝日さんが岩を揺らしてくださりました。
御在所岳は80年以上に渡りますクライマー達の歴史があります山です。
こちらの大岩壁からこれからも沢山のクライマーの方が、
世界へ向けて立ち向かっていくのだろうな?と感じました。