ガラクタ煎兵衛かく語りき

萩尾望都の《百億の昼と千億の夜》

日記



ああ、遂に見かけてしまった
以前、ここでご紹介した萩尾望都の《百億の昼と千億の夜》完全版
あの時はかろうじてポチルのを我慢した
経緯はこうである

復刊ドットコムからメールで完全版(しかも大判)の刊行のお知らせ
amazonで価格を調べると、同じ2750円。たけー
いつか買うんだろうな、でもまだ我慢しとこう
昨日、私の食生活を支えているスーパーに併設されている本屋の棚を眺めていた
天井に近い最上段の棚にその本を見つけてしまった
amazonより近くの本屋を大事にしよう
翌日、すなわち今日、自前のレジ袋を携え(一緒に食品も買うので)
大枚3000円を払い、250円のお釣りを得た
(まだ私の歩いていける環境で書籍を売っていてください)
まだ一部分しか読んでいない、でも凄い



何しろ完全版である。週間少年チャンピオン掲載当時の
たとえば色(カラー)ページの裏に広告が入り
それが重なると左右の整合さが損なわれたり
編集都合により失われていた扉絵が、全て復活してくれた
              (そうして出来上がった復刊本は作者監修の元によるという)


そして、何よりも、巻末の特別企画、(質問回答日2022/05/21)という
『萩尾望都に聞く"SF"百の質問』が貴重すぎた
ほぼ現在の彼女のSF観である。頑固なまでの初期からの主張と
現在の折り合い観、もっと読み解いていきたい


100問のうちの12番目
質問「先生はSFとファンタジーを区別して考えておられますか?」
回答「区別してます。幻想に魔法が絡むとファンタジー
幻想に科学が絡むとSF」


これだけ数十年前から(いや、デビュー時から)ぶれていない人も滅多にいない



500頁にならんとする大冊である
そのへんの辞書より重厚感があり、現に重いw
原作者の光瀬龍氏は既に鬼籍に入られたが
とてつもない原作をこの世に遺された
その作品を、少年誌初挑戦で選択した萩尾氏は
そう、はっきり言って破天荒なんです

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こっから風が変わる



宗教観が改めて問われている現代です
宗教は本来生活です
生き方です
その宗教に帰依すれば幸せなのです
御先祖様に感謝し、思い出話で盛り上がったり
ついでにとんでもない方向に行ってもそれは余興です
何も悪いことはありません
でも、そこに、強制はあってはなりません


それでは無宗教は許されないんでしょうか
私は曹洞宗の家に生まれましたが
最低限、自分のしかばねをスマートに処理してくだされば
それ以上何も申し上げることはございません
南無阿弥陀仏





どうして変な風になったのかな
いったん豊かになった代償なのかな
”つぎ”の入ったズボンを両膝に当てた男の子がそれを恥ずかしく思い
靴袋で交互に隠しながら、登校する
挙句の果てには転校の果てに感じた給食の悪臭に堪えきれず
一時的には”ヘド”という称号を与えられながらも
何故か、新学期にはクラスの委員長として、存在していた


そう、みんな大好きだったんだ。来たばっかりだったけど
多分1年半頃にはまたみんなと離れるけど
みんな大好きだったんだ
だって、世の中には素敵な人ばかり
嫌な人、というか、身なりが汚い子はいた
今となっては分からない。アイヌ出身だったのか
よく分からない身分社会の子だったのか
顔つきが違う、とっつけない、外れている
たとえば廃品回収作業の親を持つ子
(江戸時代だったら家畜を屠殺する職業は明らかに差別されていた)
ごめん、子供だったから許して
今、みんなどうしてるだろう?(みんないい年だわ)
あんときは近所だったよね
同じ学び舎で一つの教室で一つの黒板から学び合った


まあいいか、もうすぐみんな逢えるよね
コニーアイランドで逢えるよね


コニーアイランドは素敵な街
コニーアイランドは光り輝く街
祝福と陽光と笑顔に溢れている街