ゲシュ崩ログ 42
子ども向け絵本やお化けの話を見てると、巨人で優しいキャラクターとかモンスターとかお化けとかは日本にあまりいない。小さいものが大きいものに負ける、というあまりにも厳しすぎる現実の救いようのない話は日本人の高い精神性にあわなかったのかもしれません。あたかも巨人が小人を蹴散らすかのように、いとも容易く市場を独占する型の経営をガリバー型というらしいが、ガリバーと聞いて日本人が思い浮かべるのは小人に負ける巨人のほうだと思う。私としては、巨人が何かでぐるぐる巻きに…いやこの話はやめよう。
日本の知名度の高い巨人はおおかた劣って、間抜けで、小人にいつも負かされている。でくの棒、ウドの大木、大きいばかりで脳がないというのが日本人の精神には根付いている気がする。大きいととかく何か「体ばかりでかくて」みたいな言い方を、どちらかといえば平均より身長が高い私は凄く厭でした。物凄く馬鹿に生まれついたみたいな気分でした。なんでこんな巨人をアホにする文化があるんだと、憎々しく思っていた。くそー巨人がやっつけられる話なんて作ったやつめ!とばい菌マンなみに理不尽な怒りをふて腐らせていた。でも物理的にほんとに小さい人を育ててると、そういう気持ちが百八十度変わった。そういう事ってあるんですか。私って気分とか気持ちの持ちようがすぐ、しかも、正反対に、かつ、論理的に変化するんですねぇ。 物理的に小さい人がきっと作家の傍にはいたに違いない。そうみたい。かわいくて仕方ない人の目をとおすとみえはじめるせかい。