ゲシュ崩ログ 51
子供が、外でいろんな事を学習してるんだな、と思う瞬間がある。私と話している時には絶対使わない語彙を覚えてくることがある。それ絶対外で覚えてきたんだな、っていう言葉を使う時、何だかもうそうやって社会で生きた言葉を獲得していって逞しく順応していく感触があって、いいなぁと思います。どんな職場にも職場独特のその現場独特のその仕事場でだけ通じる変な名前とか言葉遣いがあると思います。そういう風に、色んな境遇にすっとなじめるといいですね。
「ゴールテープ」
ゴールテープと子供が言った。はぁかわいい。ゴールテープいぇ~い!と走った後に言ってた。母は今まで一度もそんな言葉を使ったりそんな絵本も読んだ記憶がなかったし、保育園が運動会の季節なので、おそらく運動会の練習とかなんらかでゴールテープを切って走る事があるんだろうな~と思った。子供の覚えてくる言葉一つで、どんな環境でその環境が好ましかったんだな~といろいろ推察できて楽しいです。ゴールテープって言った瞬間、私人生の中でゴールテープって発音した事あったかな。と衝撃を受けた。言わなかったような気がする。つまり、私の人生一回分で経験しなかった事を、子供はもう経験してしまったのだなと思った。ゴールって言った事はあっても、ゴールテープって言った記憶が無い。イギリスは、世界で一番長い国名を有する国らしく、一度イギリス人と話した時に、ちょっとそれが誇りなんですよみたいなテンションでゆっくり英語で説明された記憶がある。なんかあの時、ちょっと日本人の私を「ふっコイツめ」みたいな目で見てた記憶があるな。まぁあの頃の私って本当に馬鹿だったから当然なんだけども。
イギリスの長い国名、お前知らんだろ、言った事無いだろ。みたいな感じで長い言葉を知らない人は馬鹿みたいな感じが少しあったんだけど、ゴールテープをゴールと略さずに言い切った子どもを見たとき、なんかあの時イギリス人が馬鹿にしてたこと凄いなんとなく理解できた。私ほんと馬鹿だったかと思った。ゴールテープって言いきってる子供にそんなしみじみとした反省を促されたのだった。
海外の話で思い出したんだけど、月に魅入られると狂う、みたいな伝承がある国があった気がする。どこだったかな。インドだったかな。月が狂気と関連するみたいな考え方は英語圏だったのかな。パラオの国旗は満月らしい。パラオ行きたいなぁ。セレブは行ってるんだろーなーいいな~~。月を見上げるというのは大体真夜中にする事だから、不眠症みたいな人が月見をする人だったという事で月が狂気と関連するみたいな事になったのでしょうか。なんでしょうか。そういえば子供がしんみり「月っていいですね」とか言わないもんなぁ。健康な人は月なんて気にしてないという事は本当かもしれません。色んな事を子どもを通して実感していく日々。月に一番近いのは雲と太陽くらいで、(星もかな?)人は夜時々見るくらいが一番健康なんだと思う。仕事で忙しいバリバリ健康な働き盛りとか、満月の日付とか気にして ないもんなぁ。あ、そういえば満月か、くらいに月に無関心な人って素敵なのかもしれん。そういえば精神科に通う夫とは詩歌名月の話はよくしたからな。