ななかまどの花に
ななかまどの白い花が咲いている
それはそれは小さないくつもの花が
この夏の燃えるような日を浴びて
一つ一つが光っている
わたしの小さな
生まれたばかりの恋のように
それは心の中で
微小に純白に燃えている
わたしはそっと花びらに手を触れる
思ったより冷たい感覚が伝わる
さっき初めてつないだ
あなたの手は暖かだったのに
この花は秋になると
真っ赤な実を結ぶ
いくつもの小さな小さな実を結ぶ
澄んだ秋の青空の下で
わたしの恋は大きくなるのかしら
今よりずっと
たった一つでもいい
小さな燃えるような赤い実を
生み出せるのだろうか
わたしは白い花びらにもう一度触れてみた
願いを込めて
そっと
想いを込めて