赤い屋根の小さな家
優し気な秋の日差しのなか
暖かさを感じながらのんびりと歩いていた
市役所への長く続く花壇には
色とりどりの花が咲いている
何気なく見ていると
おやっと思った
木で出来た小さな15センチくらいの
家のオーナメントがあった
赤い屋根
ちょっとすすけた小さなカワイイ家だ
入り口の扉が開いていた
私はしゃがんで中を覗いてみた
一瞬目の前の景色がゆがみ暗くなり
私はそのまま横に倒れた
真の前が急に明るくなると
目の前にエプロン姿の金髪の少女がいた
あたりを見渡すと
どうもどこかのキッチンのようだ
「ようこそ」
少女はフライパンを片手に微笑んだ
驚いたでしょう
ここはお花畑の食堂よ
私の名前はエラード
この食堂の雇われシェフ
あっ、お店の名前はコンフィート
よろしくね
ここには花の妖精さんやミツバチさんやチョウチョさんが
いつも来てくれるの
たまに蜘蛛さんやゴキブリさんも来るけどね
みんな美味しいと言ってくれるわ
でもなんで私がここにいるのかな?
ごめんなさい
人間さんに料理を食べてもらおうと思っていたところに
ちょうど店をのぞいてくれた人がいて・・・
それが私
そう
明日神様がこの花壇にいらっしゃるの
その神様をおもてなしする料理を私が作ることに・・・
でもいまいち自信が無くて
それで神様に近い食事をしている人間界の人に
食べてもらおうと思って
味見という事ですか
はい
お願いします
と言うが早いか
ポンっと目の前にパンとスープが現れた
これ・・・ですか
神様はそれしか召し上がりません
どうぞお食べください
で、では
いただきます
それは質素なのに
とてつもなく美味しい食事だった
私が食べている姿を
少女は微笑みながら見ていた
ごちそうさま
とても美味しかったです
ありがとうございます
エラードはうれしそうに言った
「あなた、何んでそんなところで花なんて見ているの」
はやく住民票を2通もらわないと
妻にせかされて市役所の入口へと向かった
あら、かわいらしい赤い屋根の家の置き物ね
妻が花壇を見ながらそう言った
振り返ると
扉の閉まった赤い屋根の小さな家がそこあった
おや何だろう
この花の香りは・・・
そこにはなつかしい
美味しそうなスープの香りが漂っていた
セカンド
2022/11/10 23:50:21
土山 七海 様
表通りから市役所の駐車場へいく道の両脇に花壇があります
いつもきれいな花が咲いています
植木屋さんが来てちょくちょく花を植え替えてくれています
かなりの種類の花が咲いています
で所々にこれまたオーナメントと言うか置き物が置いてあります
その一つに小さな小屋がありました
実際しゃがんで中を覗いてみました
花の中の小さなお家
小人さんでも出てきそうな
そんな感じ・・・
で書いてみました
土山 七海
2022/11/10 10:19:41
今度役所に行く用事があるので、花壇に目をやってしまいそうです。こんな食堂があったら入ってみたいです。