紫の魔女の罠 またたび??~魔王と姫~
紫の魔女は前回の作戦の失敗でしばらくは大人しくしていましたが、ちょこころね姫の救出作戦が進んでいるらしいとの情報を最近使い魔から得て、救出されるよりも、私がさっさと魔王城から追い出してしまおうと策を練っておりました。
このあたりは紫の魔女の方が、魔王より情報網があるのかもしれませんね。魔王は最近姫にかかりっきりでどうもぼやーっとしてるのせいかもしれないですが(´艸`*)
ハーブや服の嫌がらせでもあまりダメージはなくて、
かえって二人は親しくなったとか・・・
そう使い魔から聞いていたので、今回は違う作戦を考えていました。
「今回は完璧よ!
これであの忌々しくも図々しい姫も、すぐにあの方のお城を出て行きたくなるに違いないわ!!」
手配を既に終えた紫の魔女は優雅に赤ワインで勝利を先に祝っていました。
数刻後、魔王城の入り口では使い魔のフェネックが、届け物を受け取っていました。
「姫様宛か。ラベンダーの種みたいだな~。何々エデンの光?
ああ、最近魔王様と姫が一緒にハーブを研究していたから」
そのまま姫にその小包を届けに階段を駆けて行きました。
「ちょこころね姫様~、ラベンダーの面白そうな品種の種が届いたみたいですよ。」
部屋をノックしてフェネックは姫に声をかけると、
姫はドアを開けて、
「ラベンダーの種?」というと
何気なく小包を受け取ってテーブルの上に置きました。
「そういえばこれはどこから届いたの?」と姫が聞くと、
「そうだ、届け先の確認が・・・」
とフェネックが言いかけた時、
突然小包から煙がもくもくと出てきて、小さな爆発と共に火が出てきました。
「ぎゃーー!!」
「うぎゃーー!!」
姫とフェネックは一緒に叫びました。
「どうしよどうしよΣ(´∀`;)」
フェネックはうろうろ歩き回るばかりです。
うう、なんだかくらくらする~火を消さないと!
姫はもうろうとしそうな意識を自分の脚をつねって何とか保ちながら、火を花瓶の中にあった水で消火しようとしましたが、
火の勢いが強くてその程度の水では消すことができません。
消火は諦めて、なんとかドアの方まで這いずっていくと、
「助けて~!火が出てる!!
魔王はどこにいるの~!!」
と叫び続けました。
するとシュッという音と共に、魔王が姫の部屋の中に現れました。
「なんだ!火が出たのか?!どうしたんだ!」と言いながら、魔王は素早く手をかざすと、火は一気に消え去りました。
「無事か!?姫、ケガはないか?」
返事をする気力もない姫はただ魔王をぼおっと見つめるばかりでしたが、魔王は姫を抱えて、頭にフェネックを載せて部屋からすぐ外に出ました。
「一体何事だ。姫が火を出したのか?それともお前か?!」
一人と一匹を運んだ居間で魔王は二人にそう聞きました。
「魔王様、姫様でも私でもございません。
先ほど届いた小包から煙と火がでて爆発も起こったのです」とフェネック。
「また荷物が原因か。送り主は確認したんだろうな」
「ラベンダーの種でしたので、てっきり魔王様か姫様がご注文なさったものだとばかり・・・確認する前に姫様のお部屋に届けてしまいまして・・・」
「ああ焼けてしまっては差出人は確認しようがないが、
あの煙と爆発の具合ならきっとまたあいつにちがいない。
煙も魔法由来の催眠の作用があったから・・・」
魔王はそう話しながら普段から白いその顔色がより血の気が引いた様で青白くなっていきました。
(あいつめ、こんな方法をとるとは。もうさすがに見逃すことはできん!!)
魔王は今回こそは必ず魔女に因果応報という言葉を思い出させてやらねばならんと考えました。
姫はまだぼんやりした様子でいましたが、
「ああ、フェネックも無事だったみたいね。良かったわ」
とけだるそうに魔王に言いました。
「ああ、また紫の魔女の仕業らしい。
最近忙しくてつい放っておいたが、もう我慢ならん。
こんな危険は罠を仕掛けてくるなぞ絶対に許せん!!」
「今までの事があったから送り主を確認したかと聞いていたら煙が出てきて・・・」と姫が言うと
「再三言っても分からんようなら、お前との契約を破棄してやろうか」と魔王はフェネックに険しい顔でそう言うと、
フェネックは震えあがって泣きだしそうになっています。
「魔王様どうかお許しを。最近お二人が楽しまれているラベンダーの種でしたので疑いもしなかったのです。」とフェネックがそう言うと、
「どんな時でも差出人を確認しろと言っただろう!
言ったことを守れん奴は信用ならん!」と魔王。
「それはその通りですが、魔王様は私に予告なしに行動なさることがありますから、今回もきっと姫様の為にご用意なさったのだと思い込んでしまったのです」
「私のすることを全てお前に話すとでも思っているのか!」
と魔王が怒ると、
「さすがに知らないことが多かったら、分かりにくいと思うわ。あなたは自分の事はどうも口にしないところがあるから。これからもっとこの子に話したらこういったことも起きにくくなるんじゃないかしら?」と姫が言いました。
フェネックは、ホッとした顔になって姫を見つめました。
「む・・・確かにそれはそうだが」不服そうな顔で答える魔王に、
「そうだと思うわ。あなたは自分の事を言わないから。誤解されたり理解されにくくなるところがあるわよ」と姫は日ごろ思っていることをはっきりと言ってみた。
「あなたが頼んでいないと分かっていれば、小包だってすぐ危ないかもしれないと分かったわ。」と重ねて姫が言うと、
「そうだな、差出人がごまかされていたら調べようがないわけだし、私も少し考えを変えた方が良いかもしれん」と意外と素直に魔王は理解できたようで・・・
「とはいえ再三のミスはさすがに許すことはできん!お前は使い魔として学び直してこい!
一週間の特訓を命じることにする」と魔王はフェネックに使い魔の再訓練を命じました。
どこで再訓練するんでしょうね~(´艸`*)
他の使い魔にしごかれるのか、修練学校でもあるんでしょうか?
「分かりました、魔王様。私が離れている間、姫様のことが心配ですが、魔王様がお守りなさるでしょうから。
行ってまいります」とフェネックはこたえました。
「それにしても気に入っていたテーブルが焦げちゃったわ。
でもフェネックも私も無事だったからそれでいいわね」
と姫が言うと
「姫、本当に無事でよかった・・・。こんな目にもう二度と合わせないと約束する。」
魔王はそう言うと自分のせいで魔女がこんなことを繰り返しているのだと珍しく自責の念にかられました。
そして魔女への報復についてすぐに考えを巡らせるのでした・・・。
つづく
今回は実力行使で危険を感じさせて追い出そうとした様でしたが、またもや失敗して、とうとう魔王に報復の決心をさせてしまったみたいです。
それにしても紫の魔女さんしつこい・・・。
どういう性格をしているのか作者にも理解しがたいですが
魔王なら知ってるのかな??
次回はそのあたりも書いてみようかと思います。
コーデは元気になった姫にフェネックが、先ほどはお味方して下さってありがとうございました~とすりすりしながらお礼を言っている所です(#^.^#)
勢いが出て来たので、しばらく魔王と姫シリーズが続きそうです~。
みかん
2022/11/13 20:38:57
こんばんはw
続きを読みに伺いましたw
紫の魔女さんしつこいですね^^;
姫と魔王が仲良くなっていてよかったです♪
続きを楽しみにしていますね^^
ケイト☆
2022/11/13 07:54:48
あらら又しても魔女さん逆効果な方法を。
逃げ出させるより家に帰してやるっていうほうが
成功率高いだろうにねー。
しだれ桜ღ
2022/11/13 01:19:15
ころねちゃ おつかれさま~
PCでも登録できたので 完結してる2つ 読んできました^^
めっちゃ筆が進んでる~^^ 続きが楽しみ(=^・^=)
月雲
2022/11/13 00:56:14
紫の魔女さんの情報網は気になりますね~かなり詳しいですし。
魔王さんは報復を決意された模様、どうするのか気になりますね~
派手な対決になるのか、それとも?
先がまたまた楽しみです(*^^*)
とまと
2022/11/13 00:47:16
可愛いコーデだと思います。(#^^#)
今回はちょっとひやひやする内容でしたね。(^-^;
ちょこころね
2022/11/13 00:21:29
まことさん
どうもこのお話で問題を巻き起こす人たちは
執着が強い人が多いみたいなので(^-^;
魔王も魔女もなかなか諦めるのってできないタイプなのかな~。
姫の方がさらわれてから魔王を観察したり、フェネックと仲良くなったり、思考も柔軟性があるような気がします。
まあ大抵現実でも人間関係でごたごたするのは強すぎる執着だったりすることも?
魔女の性格がよほどあれなのか魔王が魔女と結ばれることはなさそう。
こういう手段を撰ばないタイプはなかなか好かれるかどうか・・・。
欲があっても良い方向の欲を持ちたいですね~
まこと
2022/11/13 00:12:15
魔王が姫を手放して魔女のもとへ行けば話は早いんじゃね?
とか思うけど、魔王は魔女を許したくないんでしょうねぇ~ ^^;
ややこしやぁ~ ややこしや~ @@;