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日本百名山 ~ BSプレミアム ~ ①     

レジャー/旅行

こんばんは!15日(火)は、西日本の太平洋側は概ね晴れますが、

日本海側では所によりにわか雨や雷雨があるでしょう。
東日本の太平洋側は雲が広がりやすく、
東海の東部や関東では午前中を中心に雨が降る見込みです。
北陸や北日本は午後を中心に雨が降り、雷を伴う所もあるでしょう。
北海道では雪の混じる所もありそうです。
南西諸島は雲の多い天気となり、所によりにわか雨があるでしょう。

訪れるのは南アルプスの貴公子とも呼ばれる甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ)。
復活した登山ルートを辿(たど)り、優美な姿を味わいます。

復活した
 登山ルート
❝空中回廊❞をゆく
❝南アルプスの貴公子❞の頂へ

              ❝貴公子❞へ復活の道
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             南アルプス 甲斐駒ヶ岳

〇甲斐駒ヶ岳(2967m)

山梨と長野に跨る甲斐駒ヶ岳。

〇南アルプスの貴公子

白く美しい姿から南アルプスの貴公子とも呼ばれています。

〇深田久弥

*写真提供「深田久弥 山の文化館」

日本百名山の著者、深田久弥は。

日本アルプスで

一番代表的なピラミッドは、

と問われたら、私は真っ先に

この駒ケ岳をあげよう。

深田久弥
「日本百名山」より

もし日本の十名山を選べと

言われたとしても、

私はこの山を

落とさないだろう。

深田久弥
「日本百名山」より

その甲斐駒ヶ岳への道。
最も一般的なルートは北沢峠(きたざわとうげ)からの日帰り。
しかし、今日行くのはこちらの早川尾根(はやかわおね)です。

縦走しながら甲斐駒ヶ岳の姿を存分に味わうことが出来ます。
実はこのルート、一度は廃(すた)れたものを最近復活させたばかりです。

幾つものトンネルを越え、山の奥のそのまた奥へ。

〇広河原(1520m)

甲府駅から1時間半、南アルプス登山の拠点の一つ、広河原(ひろがわら)です。
ここでガイドさんと待ち合わせ。

おはようございま~す。

〇登山ガイド 富山繁樹さん

「おはようございま~す。
 登山ガイドの富山(とみやま)です。
 え~、南アルプスへようこそ」

神奈川県出身の富山繁樹(とみやましげき)さん。
林業に携(たずさ)わりたいと隣の山梨に移住。
現在は南アルプスの山々を中心に自然の魅力を伝えています。

今回の見どころは?

「結構ですね古くから、あの~整備された道ではあるんですけども、
 え~近年荒れていた所をですね、え~再整備されまして、
 南アルプスの魅力の一つである森、樹林帯ですね。
 それから高山帯の縦走の岩、そして大展望。
 それをコンパクトにこう凝縮されたようなですね。
 そういったあの~山並みを存分に味わえるかと思います」

樹林帯

大展望          縦走の岩場

今回は二泊三日の山旅。
まずは登山繰りがある広河原を出発。
急登が待ち受けます。
登り切った所が広河原峠。
ここから早川尾根に入ります。

2日目

二日目、空中散歩を楽しみながら、
甲斐駒ヶ岳を望む絶景ポイントを巡(めぐ)ります。

3日目

そして三日目、いよいよ甲斐駒ヶ岳の頂へ。
復活したことルート、アップダウンの激しい健脚者向けのコースです。

*撮影:8月中旬

まずは稜線にある広河原峠を目指します。

〇広河原峠登山口(1598m)

「はい、え~とここがですね、え~、広河原峠の入口になります。
 ここから早川尾根に登って行きます。
 では急な登り続きますけど頑張ってまいりましょう」

はい、よろしくお願いします。

わっ、いきなり足場の悪い急斜面。

結構ハード~。

「そうですね~、峠ではですね~、結構このような傾斜が続くと思います」

「ちょっと見てくださ~い。
 何か珍しいものがありますね~」

何これ?巨大な毬藻(まりも)?

「これはですね~、ダケカンバの木なんですけれども、
 菌がですね~入ってしまって、
 この木の生態バランスが崩れたことによって瘤状になってるものだそうです」

*詳しい原因は不明です

でもその瘤から新芽が。
逆境に負けない逞しさを感じますね。

「いやぁ私もこの~尾根で初めてというかですね、
 ほとんど見た記憶は無いですね~」

そうなんだ~。

「なかなか珍しいものだと思いますね~」

標高が上がるにつれ、盛の雰囲気が変わってきた。

「針葉樹の森に変わりましたね~。
 奥山に来たって感じがしますね~。
 これなんかもね、太くて立派ですけれども30mとか40mありそうですね~」

〇コメツガ

「長い年月ですね、あの大切に守られてきたこの証(あかし)だと思います」

目指す広河原峠までは標高差700m以上。
息が上がらないようゆっくり一歩一歩。

登り続けること3時間半

「はい、お疲れ様でした。
 広河原峠到着で~す」

〇広河原峠(2344m)

「で~、こちらがですね、え~、鳳凰三山の方向になります。
 で、反対側、こっちがですね。
 え~、これから目指す甲斐駒ヶ岳。
 え~、この間をですね繋ぐのがこの早川尾根になりますね~」

   甲斐駒ヶ岳←          →鳳凰三山

鳳凰三山の西の端から甲斐駒ヶ岳の手前栗沢山(くりさわやま)に至る早川尾根。
実に全長7kmに及びます。

「では先に進みたいと思います」

復活した早川尾根ルート。
いよいよその神髄に触れます。

わぁ~、苔がびっしり。

「いいですね~、南アルプスというのは
 雨亜多い所なんでね、苔も発達するそうです。
 え~、この辺りちょっと見てください。
 ここに白い花が」

あ~、可愛い。

〇セリバシオガマ

「セリバシオガマといいまして、葉っぱなんですね。
 芹に似てるのでセリバシオガマと。
 こう清楚な白がとても美しいと思います」

〇セリ

〇ヒメミヤマウズラ(白色のお花)

こちらはヒメミヤマウズラ。
ランの仲間です。

〇オトギリソウ

鮮やかな黄色い花はオトギリソウ。

「ようやくこう高山植物のいるエリアに近づきつつある感じがしますね」

再整備された道、快適で~す。

「風が気持ち~ですね~。
 や~、なだらかで歩きやすい道になりましたね~」

「これがあの~、森の中の小径(こみち)といった感じで、
 アルプスの森の象徴するような感じがしますね~」

「これぞ南アルプスの森歩き、そのものだと思います」

それにしても、こんな魅力的なルートはどうしてすたれることになったんだろう?

「小屋が見えてきましたよ~」

「はい、到着で~~~す。
 ね、え~、ここがですね今日お世話になる早川尾根小屋さんで~す」

この日泊まる早川尾根小屋。

〇早川尾根小屋

実はこの山小屋が早川尾根ルートの荒廃と再生に深く関わっています。

今回は早川尾根小屋に宿泊の所までと致します。
次回は復活しました早川尾根の紹介から始めます。