セカンド

メサイヤの夜に

小説/詩

目をつぶる

冷たい空気が肌に触れる

雨の音が静かに聴こえる
それは雪になるかもしれない

あの時のように

12月の夜
メサイヤが流れていた

あなたの冷たい指が
私の唇に触れた

寂しげな瞳
白い息が抜ける

それは
一人一人になる瞬間

振り返ることなく
去って行くあなたを

追いかけるように
雨が白い雪に変わる

唇に残る冷たい感触が
冬の景色の中に溶け込んでいく

わたしはただ立すくみ
人混みに消えていくあなたを見ていた

ああこんなにも静かに
雪が舞っている

それは
白くとても冷たく



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