ゲシュ崩ログ 92 絶対離れたくない
子供が、夜絵本を読めといってくる。その晩の絵本は、「てんをおしあげたはなし」という福音館書店の中国チワン族のはなし。
天と地がぴったり仲良しだった、という冒頭を読んで、「てんとちはお母さんと子供みたいにいつも一緒だったんだね」と言うと、子供がぎゅ~~~とくっついて抱き着いてきて、
「ぜっっっっっっっったい離れたくない」
と何だか間を長く置いた決意のこもった感じでお母さんにそう言った。いつも私をうざがる感じのある子供にびっくりした。子供が経験させられた事を思うと、本当にかわいそうでかわいそうで、絶対離れたくないと言った子供がかわいそうで。あと十年もせず「お母さんって駄目なんじゃ?嫌いっ」って言えるようになってどうせ嫌いになるんだから、それまではこの純粋な信頼するという感情がもたらす安心感を覚える場所で子供にはすくすく心配なく育ってもらいたい。それにしても、母親と離れたくないだなんて。かわいすぎというか、天使…?と思った。あと何年後かに多分真逆の事ゆうようになるよ。わかってしまう。でもそれまではそんな小さな罪のない我儘を許されるおおらかな社会であってほしいなと思う。誰も傷つけない我儘だし。尊…。
ちなみに、絵本の中の天と地は、最後結局離れ離れになってしまう。でも天と地が一緒になるのを諦めていたわけでもないし、思い合っていないという事はけしてないだろうという事は、絵本には書いてないのだった。