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日本百名山 ~ BSプレミアム ~ ②    

レジャー/旅行

こんばんは!20日(火)は、北日本から東日本の日本海側では雪の降る所が多く、

所により雷を伴うでしょう。
西日本の日本海側は朝までは雪や雨の降る所がありますが、次第に止む見込みです。
北日本から西日本の日本海側では、積雪や路面の凍結による交通障害、
車線や樹木への着雪、雪崩に注意してください。
北日本から西日本の太平洋側は概ね晴れるでしょう。
南西諸島は晴れたり曇ったりとなり、所によりにわか雨がある予想です。

古より続く
 修験の道
雲上に広がる
  水の風景
火山が生み出した
 険しい岩場

             人々が畏れた 荒ぶる神
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                鳥海山

〇登山ガイド 佐藤浩二さん

秋田県出身の佐藤浩二さん。
幼い頃に登った鳥海山で山の魅力を知り、登山ガイドに。
ガイドの傍ら登山道をチェックするなど、巡視活動を行っています。

*撮影:9月中旬

前回は懺悔坂の所までの紹介でした。
今回は懺悔と癒しの鳥海山の紹介から始めます。

<山旅スケッチ>
 懺悔と癒しの鳥海山

山岳信仰の名残をとどめる今回の矢島口ルート。

〇矢島口ルート

平安時代に比良衛(ひらえ)と多良衛(たらえ)の兄弟によって
開かれたといわれています。

〇比良衛 多良衛 兄弟像

〇木境大物忌(きざかいおおものいみ)神社

二合目には信仰の拠点となった木境大物忌神社があります。

〇大物忌神社 禰宜(ねぎ) 三浦祐子さん

この神社では多くの修験者を受け入れてきました。

「登山して行くには凄い厳しい険しい山なんです。
 鳥海山の矢島口って。
 修験道者の方々に食料とか、自然のものを食べて寝泊まりする。
 そういった神社でございます」

壁には修験者達が記した文字や絵が。

「修験に来た方々が記念に書いていった。
 ようするにこう年号を書いて自分の思い通りの絵を描いて
 文字も記されています。
 この神社の宝は本当に装飾とかそういう立派なものはございませんが、
 そういう壁に書かれて残されたっていうのが
 国指定になった史跡になった証しなんじゃないかな~って」

〇大正・昭和時代の宿泊名簿

宿場町の名簿を見ると東北各地から人が集まって来ていたことが分かります。

「遠い所は青森、岩手、岩手の方が多いですよねここはね。
 あと奥羽山脈から来る方々が多いです。
 お酒飲んでみんなでやぁやぁやぁ言って、
 それから厳しい修験に耐えて、
 疲れた体を癒やす為のこういう場所だったかなって私は個人的に思います」

過酷な修行を支えた癒しの場所。
修験者達の思いが今も宿っています。

「見てください。
 オヤマリンドウ見頃ですよ~」

〇オヤマリンドウ(御山竜胆)(紫色のお花)

秋、亜高山帯の湿原や草地に咲くオヤマリンドウ。

「周りのですね、草紅葉の中でこの彩りっていうのは秋だな~って感じます」

「あっ、見てみてください。
 アキノキリンソウです」

〇アキノキリンソウ(秋の麒麟草)(黄色のお花)

これも先程のリンドウと同じ秋を代表する花の一つです」

秋の花々が咲き誇る道を進む。

「はい、御田(おた)到着で~す」

「振り返ってみてくださ~い」

標高1500m近く、こ~んな所にも湿原が。

〇御田

「この景色が御田といわれる由縁です。
 まるで神様の田んぼのようだという風なことで
 おんたということで御田といわれてます。
 修験の方や農家の方がここまで訪れて
 五回豊穣を祈って祭事などを行った場所だといわれています。
 こういう雲の上に田んぼのような景色が広がるっていうのも
 神様がいるような感じがして、不思議な光景ですよね」

ごつごつした岩が増えてきましたね~?

「そうですね~、鳥海山は頻繁に噴火を繰り返すたびに
 渓谷や様々な地質、地形を生み出しています」

「七ツ釜(ななつがま)到着です」

七ツ釜?

「見てください」

〇七ツ釜

「滝壺が七つあることから七ツ釜と呼ばれています。
 厳密には大きい目立つ釜が七つあるといわれています」

だから七ツ釜か~。

「その他にですね、名前の由来がありまして。
 一週間、七日間、窯が絶えないように食べることに困らないようにということで
 修験の方や麓の方々がそういう願いを込めて
 七ツ釜という名前を付けたともいわれています。
 ちょっと下の方見てみてください」

う~ん、何だろう?

「何かの形い見えませんか?

ハート~ですよね~?

「はい、そうです。
 ハートの形に見えることから最近若い人達の間で人気のポイントなんですよ」

なるほど~、ハートの形でトキメキますね~。

「キュンで~す」

厳しい修験の道にも思いがけない一面が。

出発してから1時間半

〇大雪路(おおゆきじろ)

「ここが大雪路になります。
 今はこの景色は雪が無いんですけれども、
 初夏まで大量の雪が残る大きな雪のような道ですから、
 大雪路と名前が付きました」

〇初夏の様子

鳥海山に降り積もる大量の雪、その雪融け水が庄内平野など麓の米処を潤します。

〇氷ノ薬師

「氷ノ薬師到着です。
 ここでいよいよ最後の身を清める為にですね。
 冷た~い雪融け水でここで身を清めたといわれています」

「元々「垢離薬師」と呼ばれてたんですよ」

麓の垢離の池と同じく身を清める場所。

「私達が普通、垢離垢離と呼んでたんですけれども、
 垢離がいつの間にか水、雪がいっぱいあるから氷という風に
 なったのかもしれませんね」

垢離(こり) → 氷(こおり)

足場が綺麗な石畳に。

「そうですね~、ちょっとここで優しい道になりますので、
 ひと心地つけるかな~と思います」

「あ~、開けてきましたね~。
 石と草紅葉のコントラストも凄いいいバランスですよね。
 ここ来るといつも庭園みたいだな~と思いま~す」

ほんと日本庭園って感じ。

振り返ると、海が。

「あっちの方さあの~、ビューンと左さって出るものあるしやな~」
(向こうの方にぐっと左に延びているものがありますね」

今回は左に延びているものが見えるところまでと致します。
次回は左に延びているものの紹介から始めます。