ゲシュ崩ログ 142 美容室に行きたい
美容室に行きたい。子供の髪を整えに行きたい。「子供でもいいですよ」とか言っても、本当に子供がきたら周囲のお客様にうるさい迷惑にならないか、と不安になって結局気がめいって行けない。子供専門の美容室というものがあったら連れていきたい。子供もそうだけど、私には時々、髪短くて仕方ないのに美容室に行きたい時がある。シャンプーだけしてもらえないかな~とか思うけど、実際ほんとにシャンプーだけで美容師さんは儲かるのか…それでは儲からないから迷惑客だと思われないか…と思って結局行けない。そんな事がよくある。
自分の身内をほめるのはいい事なのか。恥ずかしい事なのか。よくわからない。嫁ぎ先の義祖母、死んでるのに感謝したい。凄く感謝したいなと思う事がある。会った事ないけど。お姑さんは結婚した時には天国に旅だっていた。義祖母、というらしいが、お姑さんの母、義理のお祖母ちゃんも天国だった。もういないけれど、私は夫と生活していて、すごく義祖母の存在を感じる事がある。…霊能力的に!と言いたいところだけど、そうじゃなくて。
夫の家で生活していると、節目節目の行事に使う、皿、催事物、着物、風呂敷なんかが納屋から出てくる。丁寧な暮らしが伺えるこまごましたアイテム。夫の義祖母が丁寧に大切に保存していたらしい。という事なんですが、なんだか切なくなる程、丁寧にものを保存していた人らしく、色んなものが捨てられなかった人らしく、家庭的なもったいない精神のアイテムが出てくる。特になんて事はないハサミとか。洋裁ばさみを、百円ショップのハサミで代用していた私は、「おお、これ幸い」とありがたく使わさせてもらっている。蝶吉郎作と銘がある。業物なのか、よく切れる。百円のハサミでやり過ごそうとしていた私にはもう…今までのハサミが「ちょきん、ちょきん」ならば、蝶吉郎のハサミは「shakeeeeeenx!」というかなんというか。もう目の覚めるような切り心地。凄い。ハサミが違うだけでこんなに違うのかという切り心地。何か切りたくて仕方なくなる切り心地。
昔、美容師さんが「すごく高いハサミを使って仕事をしている」と言っていた。それこそ、十何万のハサミを使う。と言っていた。上をみればきりがない程高級なハサミがあるんだ、世の中には…と言っていて、「そうなんだな」と絵空事のように夢の話みたいに聞いてた覚えがあったんだけど、洋裁ばさみでこれだけの違いがあるんだから、美容師の世界のハサミというものは、本当にもっと恐ろしいほどの深いやばい世界があるんだろうな、と片りんが伺えました。そう言う事を考えると、「ああ…あの時すごい高いハサミを使うって言ってた職人さんは仕事に魂こめてる人だったんだな」ともう一回切ってほしいな~と思ったりする。筆をえらばずとは言うけれども、いやいや。やっぱ高いものはそれなりに高い理由がある凄い。と高級品に触れて実際に体験すると、認めざるを得ないのだ。
意味もなく 美容室いく おばはんに
まさか自分がそんな人になる?のかな。近頃はぜんぜん行けてない。身だしなみを整えて清潔な人は、行けてないとかそんな事言わず定期的にきちんと予定に美容室の日が途切れなく組み込まれてる気がする。人間として普通は。
早く子供が大きくなって一緒に切りに行きたい。