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日本百名山 ~ BSプレミアム ~ ③     

レジャー/旅行

こんばんは!10日(金)は、西日本から東北で雨や雪が降り、

関東北部の山地、甲信、東北の太平洋側南部では大雪の所もありそうです。
大雪による交通障害などに注意・警戒してください。
北海道は晴れる見込みです。
南西諸島は雨が降るでしょう。

そびえ立つ
   奇岩
信仰の山
垂直の壁!

             神々が宿る岩峰を行く  
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                妙義山

〇山岳ガイド 佐藤勇介さん

大学生の時、ワンダーフォーゲル部に所属していた佐藤さん。
卒業後、ガイドの道へ進みました。
腕を磨く為、足しげく通ったのが、ここ妙義山です。

*撮影:11月中旬

前回は表妙義最高峰の相馬岳に到着した所までの紹介でした。
今回は妙義山を描く紹介から始めます。

<山旅スケッチ>
 妙義山を描く

〇妙義山を描く

特徴的な姿から人を魅了し続けている妙義山。

〇富岡市立妙義ふるさと美術館

山麓にある美術館には妙義山を描いた作品が全国から集められています。

「中之岳2月」

薄っすらと雪を纏(まと)った中之岳2月。

〇群馬在住
 境野京子さん

「妙義はね角度で全然姿が違うんですけれども、
 あのどこから見ても絵になるっていう山ですね~。
 この日はね少し雪が降ってまして~、
 すぐ行こうって言って~、上へ登って行ったらこの景色だったんです」

「険しい岩」

険しい岩。
立ち並ぶ尖った岩山を描いています。

〇群馬在住
 佐藤三十一さん

「美しさとその険しさっていうのを、ちょっと描きたいな~と思いまして。
 岩の陰の部分の光っていうのが結構好きでして。
 その微妙な時間帯を狙って何回も何回も行く訳なんですね」

「落月」

月明かりに輝く落月(らくげつ)。

〇群馬在住
 北村真さん

「やっぱり山への日本人の信仰心といいますか
 非常に強く皆さん持ってらっしゃって
 妙義というのは聖なる山であり、私の山であり、
 そんな感じがして大好きな山なんです、はい」

どの作品にも妙義山への愛が込められています。

相馬岳から中之岳へ。

うわぁ~、巨大な岩壁が迫ってきたぞ。

「今回の最大の難所となる鷹戻しの岩場です」

最大の難所ですか?

「ここから鷹戻しの核心部が始まります。
 高さは50mぐらいあります」

〇鷹戻し

「鷹戻しっていうのは空を飛ぶ鷹も帰ってしまうぐらい急峻な岩場ということで」

鷹も引き返すという岩場。
あそこを登るのか~。

ほとんど垂直。
鎖が頼りだ。
一瞬たりとも気が抜けない。

「あっ」

まさに神々が宿る山の核心部だ。

やった~、登り切った。

「はい、お疲れ様でした~。
 これで最大の難所の鷹戻し、岩場終了しました~」

さぁ中之岳へ。
細い稜線を慎重に辿(たど)って行く。

出発して8時間

〇中之岳(1073m)

「はい、ここが標高1073m妙義山中之岳山頂です。
 お疲れ様でした」

お疲れ様でした~。

眺めはどうかな~?

「お~、凄い展望ですね~。
 や~、今日は360度山が見えてま~す」

これは見事。

「え~岩山が、え~正面にありますけども、あれが裏妙義」

〇裏妙義

「まあるい形、お椀型の山、あれが浅間山(あさまやま)です」

〇浅間山

〇荒船山

平らな山頂の荒船山(あらふねやま)。
その奥には八ヶ岳(やつがたけ)も見える。

〇八ヶ岳

〇山岳ガイド 佐藤勇介さん

「まぁ私にとって妙義山はまぁ自分のこう鍛えてくれる先生のような山です。
 初めて来た頃はこの高度感にこう驚いて~、
 え~、非常にこう足が竦(すく)む思いで歩いていたんですけども、
 ガイドのえ~トレーニングとして、
 え~、足しげく妙義山に通って技術を高めていました。
 来る度に新しい発見もありますし、まぁ色々、え~教えられる山だと思います。
 妙義山大好きです」

神々が宿る峰として敬い、愛され続けてきた妙義山。
日本三大奇勝と呼ばれる険しさを存分に味わった山旅でした。

旅のスタートは信越本線の松井田駅から車で20分。
山腹にあります駐車場で佐藤さんと待ち合わせでした。
まずは石門群という石の門が沢山ある所でした。
名勝 石門群登山道 県立妙義公園、ここから登って行きました。
歩き始めて間もなく、岩に大きな穴がありました。
大きな岩の真ん中に穴が開いていて、
門のようになっているので石門と呼ばれているそうです。
しばらく進みますとまた岩に穴が開いていました。
こちらは第二石門です。
石門の中に入りますと狭くて通りにくかったです。
石門を越えますと、奇妙な形をしました岩が沢山ありました。
ここから眺める景色は日暮らしの景というそうで、
一日中陽が暮れるまで眺めても飽きることの無い景色といわれている所です。
妙義山の特徴的な岩の形は、大昔この辺り一帯が
火山で出来た台地で、この大きな台地が雨に削られて、
固い岩の部分だけが残されてこの形が出来たそうです。
日本三大奇勝だけにありまして、迫力がありました。

2日目 午前5時
二日目はまだ真っ暗の中ですがスタートをしました。
ヘルメットハーネスを装着して出発しました。
この日はそそり立つ岩峰を次々と越えまして、表妙義最高峰の相馬岳へ。
そして最終目的地の中之岳まで縦走です。
だんだん東の空が明るくなってきました。
絶景ポイントは鎖場の先でした。
妙義大権現の大の字がある所からは素晴らしい大展望が広がっていました。
相馬岳を目指して登りますと、紅葉が美しかったです。
タカノツメ、メグスリノキの紅葉でした。
そして鎖場の所の岩場は垂直でした。
登り切りますと標高が上がりまして、木の葉がすっかり落ちていました。
見晴という場所からは関東平野、榛名山、赤城山が見えました。
群馬の名峰がよく見える所でした。
そして、激しいアップダウンが続きます為、ロープを繋いだまま進みました。
背ビレ岩といいまして両側がスッパリと切れ落ちた岩場でした。
登り切ったと思いきや、ここから長~い鎖場が続いていました。
20m下って、そこから30m、合計で50mもの長さでした。
鎖を頼りに下り切りました。
出発して3時間半、表妙義最高嶺の相馬岳に到着でした。
かなりギザギザとしていまる妙義山。
日本三大奇勝だけある所だなと感じました。
こうした岩の峰は火山の影響で出来たということで大迫力でした。
麓にありました妙義山神社はとても神秘的な所でした。
このような自然美、造形美がいつまでも続いて欲しいなと感じました。