ガラクタ煎兵衛かく語りき

へそ曲がり かく語りき ②

日記

自分がへそ曲がりだってことは充分承知している
そのパート②である

へそ曲がりは容易に人を傷つける場合がある
こっから少し妄想タイムさあスタート



まだ新婚生活が始まって間もない頃
仕事を終えて帰宅し 新妻の料理を食べる
「美味しい?」
その問いかける眼差しに正面からこう答える 正直さが信条だ
「うん 美味しいよ しょっぱいけど」

翌日 同じシチュエーションで アサリの酒蒸しがメインとして食卓に供された
一目見て さっき脱いだばかりの上着から財布を抜き出し 玄関に向かった
「ちょっと外食してくる あ 残しとかないでいいから」

言いかねない いや 言いかねなかった
若い時の私なら



つくづく結婚しないで良かった と思う
近所の中華屋に向かいながら 妄想の中での私はブツブツ言ってた
『貝が嫌いな事 だいぶ前に言っただろうに』

数か月後から始まる離婚交渉が迫っていたのに気付くはずもなく




うう~~怖ろしい 
でも考えてみれば 案外母親にも同じようなことしたのかもしれない
「お弁当いらないよ 中学校の前の店で菓子パン売ってるから」
「高校の学食で済ますからいい」
「大学の食堂って安くて美味しいんだよ!」

離婚ではないにしても 勘当されてしかるべき息子の偏食ぶりだった




以上の文章で三つの要素が浮かび上がってくる
① 私には相手を思いやる精神が欠如している
② そもそも言い方があるだろう
③ 好き嫌いを最優先するな!


つくづく結婚しないで良かった と今さらながら思う











あれは15年前くらいだったろうか
なんかの機会で 札幌市東部にある ”時〇台ラーメン月寒店”を一人訪れた
注文したラーメンは速やかに出来上がり 一口食べたうえで即座に拒否した
当然文句は言わない いや 言えない
どっかに瑕疵があったともいえないから

要するに麺が硬かったのだ(私の思い描いてる麺の通常より)
スープは美味しかったのでレンゲでいただいた
モヤシもチャーシューも美味しかったのでいただいた
ネギ好きの私が一片のそれを残すはずもなかった

結果的にラーメン(麺)のみが超大量に残された丼だけを置いて清算して帰った
下げられた大量の麺が残されている器が洗い場に運ばれた時
彼らはどう思ったのだろう
「いや 時々 いるっすんよ 別に どうとも いや ほんと」





かくほどへそ曲がりはメンドくさい
かくほどメンドくさいやつは本当にメンドくさい



お母さん
あなたも私をメンドくさいと思ったことでしょう
一度ならず 何度も 本当にごめんなさい


それでも楽しみにしてることがあります

あなたを仏界に送る儀式の中で 震える脚を抑えながら
私が親族親戚お歴々の中で朗々と述べた”遺族からの挨拶”を
背後のお棺の中で聴いてくれていたでしょう
(! 重大な間違い そのときはもう壺に入られていた!)


立派なもんだったでしょう? 姉3人皆号泣してましたよね?
その泣き声も聴かれたでしょう?
前から僕に頼んでいたよね 私のその時はお前に任せると
最後の最後に男の子産んで良かったね
いや 今この時代 そんな表現はマズかった 反省

言い直すね
最後の最後に私を産んでくれてありがとう

だから私がそちらへ行ったら
ニヒルに歓迎してね
あ でも
「お弁当いらない」から