gen_rin

日本百名山 ~ BSプレミアム ~ ③    

レジャー/旅行

こんばんは!19日(水)は、北日本では午前中は

雨が降り雷を伴う所もありますが、午後は東北を中心に晴れ間が広がる見込みです。
東日本の太平洋側は概ね晴れますが、日本海側は朝まで雨が降るでしょう。
西日本は雲が広がりやすく、所々でにわか雨や雷雨がある見込みです。
南西諸島は曇りや雨となり、雷を伴い激しく降る所もあるでしょう。

山岳信仰が息づく山
冬限定
 ❝神域❞の森へ
山からの
 豊かな恵み

              人々に愛される山
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
               長野 飯縄山

*この番組は2022年4月11日に放送したものです

〇登山ガイド 中林寿之さん

20年前長野の大自然に魅せられ、横浜から移住した中林寿之さん。
飯縄山の麓で暮らしながら、登山やスキーのガイドとして活躍しています。

*撮影:3月上旬

前回は最後の十三仏目、虚空蔵菩薩様がおられます所までの紹介でした。
今回は山名の由来の紹介から始めます。

<山旅スケッチ>
 山名の由来

飯縄山の名前の由来は?

飯砂山 → 飯縄山

「昔はいい砂があった。
 いい砂と書いて、飯砂山(いいすなやま)っていう風にいわれて、
 そこから名前が変わって今の飯縄山になってますよね~。
 昔はねいい砂が実は食べれたんですよ」

え~、砂を食べた~?

「で~昔、あの~ここの神様がもう飯縄三郎天狗。
 飯縄三郎が~、え~、里の人々が食糧難で食べるものが無かった時に
 このいい砂を里の人達に振る舞ったんですよね。
 で~、里の人達はそれを喜んで。
 え~、飯縄の天狗さん。
 三郎さんのことを慕ったという風にいわれてますよね、はい」

〇飯縄三郎天狗

食べられるという砂、果たしてその正体は?

〇戸隠地質化石博物館

〇学芸員 田辺智隆さん

田辺さん「こちらが天狗の麦飯になります」

天狗の麦飯?

昭和14年に採取されたものなんだそう。

田辺さん「微生物の集合体らしいんですけれども~、
     あの~実は長野県各地の火山で~採取されてるんですけれども。
     かつてそういう飯縄山だとか黒姫山だとかにあって~。
     それを修験者達が食べたんじゃないかっ、いわれています」

江戸時代に書かれた記録を見ると。

手に救って食べると

味わいは麦飯と変わらない

誠に珍奇なものである

これにより飯縄山(いずなさん)と呼ぶ

とあります。

〇飯砂山(いずなさん)

*諸説あります

飯砂山から飯縄屋m(いつなさん)。
そして、現在の飯縄山へ。

      飯          飯
      縄    ←     砂
      山          山

出発して2時間半、標高1800mを超えました。

〇飯縄山(南峰)

「え~と~、飯綱山の南峰着きましたね、はい。
 で、向こうに見えるのが、え~飯縄山の山頂っていわれてる北峰になりますね。
 その前に飯縄神社の、え~奥宮がありますんで。
 え~、奥宮にちょっと行ってみましょう」

〇飯縄神社 奥宮

すっかり雪に覆われている。

「頭気をつけてくださ~い。
 失礼しま~す」

この奥宮、登山者の避難小屋でもあるんです。

パッパッ♪

山頂への最後の尾根歩き。

〇風紋

「ここ風紋(ふうもん)ありますよね?」

波みたいですね?

「はい、これね~実は風のサインなんですよ~、風土がこの風紋の尖った方。
 向こう側から風がずうっと吹いてきてますね。
 で、柔らかい雪が削られて風下の方に富んでいく。
 風紋は雪山ならではのサインですね。
 なので~この尾根の~右手、向こうの方は雪庇になってますね」

〇雪庇(せっぴ)

風下は雪の庇(ひさし)、雪庇が張り出している。
いつ崩れるか分からないので、樹林帯側を歩きます。

「山頂標見えてきあしたね~」

え~、どこですか~?

「エヘヘへ、今年は雪多いんで~、山頂標の耳がちょこっと見えるだけですね~」

〇飯縄山(北峰)(1917m)

「飯縄山山頂、登頂で=す。
 お疲れ様でした~~」

ありがとうございました。

「戸隠山ギザギザギザギザ、はい、ありますね」

〇戸隠連峰

岩山が連なる戸隠連峰。
かつて山伏はこの険しい姿を見て山を開いたんですね~。
その最高峰、高妻山(たかつまやま)もよく見えます。

〇高妻山

〇黒姫山

右手には黒姫山(くろひめやま)。
その奥には妙高山(みょうこうさん)。

〇妙高山

「じゃあ今度遠く見をずらしてもらって~。
 北アルプスが続いてますね~」

 穂高連峰 槍ヶ岳   鷲羽岳 水晶岳        鹿島槍ヶ岳 五竜岳

全長100km以上に及ぶ北アルプス。
その雄姿を望むことが出来ます。

 白馬岳

〇槍ヶ岳

「あれがね~みんなが大好きな槍ヶ岳(やりがたけ)。

〇鹿島槍ヶ岳
こちらは後立山連峰の盟主、鹿島槍ヶ岳(かしまやりがたけ)。

〇五竜岳

さらに戦国武将武田氏の家紋、
武田菱(たけだびし)の雪形が見える五竜岳(ごりゅうだけ)。

〇登山ガイド 中林寿之さん

「飯縄山好きですね~、はい。
 普段もね、あの~仕事辛~い時、ちょこちょこ来てますね。
 気分転換に景色見たりとか~、上に来たらご褒美あるんでね。
 辛いだけってよりは~、この楽しみがある山っていうのもいいですよね。
 日本の主になる山ほとんど見えるので、魅力的な山ですね」

人々に愛される飯縄山。
山岳信仰の歴史を辿(たど)り、とびっきりの大展望を満喫した山旅でした。

旅のスタートはJR長野駅から車で1時間、
戸隠神社奥社入り口で中林さんと待ち合わせでした。
まずは森の中に入って行きました。
とてもフッカフカの雪でした。
中林さんはプローブと呼ばれる雪崩捜索に使う道具で積雪を測っていました。
この森は野鳥の宝庫でシジュウカラ、ゴジュウカラ、コゲラ、アカゲラが
おりました。
歩き始めて万鳴く、ミズナラ大王というミズナラの巨木が生えていました。
樹齢が700年で幹周りが大人5人分ぐらい手を広げて一周出来るぐらいで、
約8mぐらいありました。
そして、随神門という門がありました。
門の先には樹齢400年の杉の並木道がありました。
杉並木を離れまして、再び森の中に入りました。
イタチの足痕がありました。
そして、テンの足痕もありました。
スタートして1時間半、鏡池に到着しました。
鏡池は里の人々によって造られた溜池です。
冬、景色は一変しました一面が凍りつくそうです。
広大な鏡池の背後に聳えますのは険しい戸隠連峰です。
続いて、飯縄山が見えるポイントへ行きました。

二日目、飯縄山登山口から出発しました。
雪の樹林帯を登って行きますと、オオカメノキが生えていました。
春に備えて出ている冬芽がありました。
兎のような形をしていました。
オオカメノキはかんじきのフレームに使われる木だそうです。
曲げても折れなくしなりが良くて、粘りっ毛がありました。
そしてトチノキの冬芽、ノリウツギも生えていました。
仏様であります十三仏が登山道沿いにありました。
ミズナラやシラカバの森を登ること1時間、5番目の地蔵菩薩へ。
急斜面、雪崩の可能性がありますので尾根の安全な所を直登しました。
駒つなぎの場でアイゼンを装着しました。
前爪でキックキックしてアイゼンの歯全部利かせてガニ股で
慌てずゆっくり話ながら進み、最後の十三仏目、虚空蔵菩薩様の所へ到着でした。
山岳信仰の山飯縄山には沢山の木々が生えていて、
そして鳥たちにとりまして暮らしやすい飯縄山。
このような自然がいつまでも残って欲しいと感じました。