なるべく気楽に気楽に~!

紫音-sioto

精神的な疾患を持ってる私の気楽に気楽に生きたい願望です~!
ちょこちょこ愚痴も入りますが、嫌な思いをされる方がいたらすみません><

月と赤い糸 第二章

自作小説

第二章

夏も本格的に始まって来た頃、私は相変わらず夜空を見上げ、煙草に手が伸びていた。
「今日はとても月の光が強いな」
そんな独り言を漏らし、月の写真を撮っていた。
何故、こんなに月に執着し、いつまでも見ていたいと思うのか私には分からない。
私にはとても大切に想える人がいるのだが、彼にはいつも「強くいて」と言われてしまう。
私は彼に「強くいて」そう言われれば言われる程、「何故」で頭の中が一杯になってしまう。
強くいる事は正義の一環なのだろうか。
強くいられないのなら、きっと彼は私の前から去ってしまうだろう。
そんな事を考えずにはいられない夜だった。
私の今までの人生では、とても強がって生きてきていたと自分でも分かっている。
だからこそ、今の「弱い自分」を認め、色んな人の感情に寄り添い続けて来たつもりだ。
人の心はとても脆く、直ぐに砕けてしまうような目には見えない物だと私は思う。
だからこそ、人の心は大事にしたいと思って過ごしてはいるのだが、人の心を大事にしようとすればする程
私の心が傷付いてしまう。
人間は皆自分勝手に噓を吐いて生きていると思っている。
自分の事しか考えていない様な人達ばかり。
人間不信の私には友達と言える様な友人が居ないのだが、彼だけはどうしても失えないと
今は思っている。
いつか、サヨナラが言えたら良いなと思いつつ彼に助けを求めてしまったりもする。
どうしようもない矛盾な心が私自身に問う。
私は1度聖書を読んでみようと思った事があるのだが、
考えてみればみる程に現実が私に全て真実を教えてくれている様な気がして、聖書には触れない事にしたのだ。
なんだか心がざわついてきたな来たな、そう思った頃飲み物がない事に気付いた。
私は、何か飲み物を取って来なくてはいけない気がして、席を立った。
部屋へと戻った私なのだが、水分と煙草への依存が日に日に増している。
私は「死」へと向かう今生きている瞬間を大事にしようと思っている。
簡潔に言えば「自殺が出来ない弱虫」なだけだが。
私の頭の中は常に動いていて、何かしらを考えている様に感じる。
兎に角今は煙草を吸ってリラックスしてみようと思って、1本取り出した。
お気に入りの金木犀の香水も纏いながら。
今日は猫もすっかり寝入ってしまっているからか、とても心が寂しく感じる。
こんな時は決まって月を見にまた外へと出るのだ。
今宵の月は下弦の月へとなり始めていた。
月はとても暖かい光を私に与えてくれる。
薬は早目に飲んだつもりだが、なかなか眠りへと付けない私がいる。
こんな日は何をしていたんだっけ?なんて考えながらボーっとして過ごす。
そんな時間も悪くはない。
何もしない時間というのも良いものだな、と思う事が増えた気がする。
外に出たいという衝動を抑え、今日も少しでも眠れる様に努力しなければいけない気がする。
さぁ、今宵の私には何が出来るだろう。