ゲシュ崩ログ 306 親の愚痴
この前実家に帰って、母親と久しぶりに話したら、母親が
「バイト先のあの80代の女がムカつくんだわ」
って言ってた。
親の愚痴
60代という年齢に私はなった事がないから、きっとそれは素晴らしい年齢だろうという気持ちでいます。そんな60代の母親なんですけれども、60代の母親が、バイト先の80代のおばあさんの事を愚痴ってた。「なんだよあいつ元気すぎるだろ…」って。親の言う事というのは、いつも含蓄に富んでいる。と私は思うんですねぇ…。きっと私の前でそう言ったからには、きっと何か意味があるんだろうと複雑な想いでした。
一つに、ちょっとビックリしたのが、バイトしてるんだな…という事でした。もう退職されている方もいる年齢ですが、バイトしていた。それだけでも凄いというか、予想の斜め上を行っていました。子供が四人もいるので、四人から上納金を集めて悠々自適にしているのかと思いきや、子供を多く作っても、老後に楽できないという恐ろしい事実が私を震え上がらせました。いやまぁ、どうでしょう。母親はもし楽をできたとしても、自分が働きたいと願ってやまないタイプなのかもしれません。社交的なほうの人だったから、なおさらそうかもしれません。と、思うんだけど、自分で働きたいから楽しんで働いているんだろう…と思いきや、80代のおばあちゃん先輩とガツガツの喧嘩してるみたいで…。もう親の姿というのはいつも私にピラミッドやスフィンクスみたいに壮大な不思議です。
若い時は、仕事場のおばちゃんというのが凄い大きな厚い壁みたいに思えましたが、60代になっても、80代の壁にぶち当たるという事があるんだな~と。人生どんだけやっても大変すぎる…と親の愚痴から思いました。60代ですら、60代ですら、そこまでいっても、「バイト先の先輩マジイラっとする~」っていうんだな…って。働くという事がいかに大変なのか思わされるのと、自分が老齢の人に抱いているイメージが、刷新される気持ちでした。
「そんなに大変なら子供から上納金集めて悠々自適すれば」
っていうんだけど、そこが私の親の凄いところ
「子供の面倒になんかならん。私は元気なんだ」
っていうんですね。一人暮らしで。一人暮らしの気楽さというのを味わっているのかもしれません。子供が四人もいて、いつも大人数の家族だったから、老後は一人のしめやかさをじんわりじっくり楽しんでいるのもうなずけます。やりたい事をやっている、そういう印象がある私の親。さすが私の親である。親の自由さを私も学びたいです。子供を大切にしながら。