がぶりん

0%

日記

遅めの夜ご飯を食べ、地下鉄に揺られ、いつもの駅を降りて、ふと私はスマホを見た。

「22:00 充電残り1%」

あっという間にスマホがシャットダウン。

同時に1%の電流が私に走った。


「これ、今、すべてから解き放たれて・・私・・自由じゃね?」


スマホという電子のしがらみから抜け出し、ひとりぼっちで夜の地元に降り立った私は、紛れもなく自由なのであった。
ちょっとだけワクワクした。まずはあてもなく歩いてみよう。・・・体は正直だった。少し意味もなく歩くだけで疲れる。

「そうだ・・スーパー銭湯に行こう!!」

ここから歩いてどのくらいかかるかな?終わってないよね?
でも、スマホの充電が0%なので調べられませーん。ふふ、楽しいね。

歩く理由ができた。途端に足は軽快に。だってこの後めいっぱい足をリラックスさせられるのです。

着いたのは23時手前。営業終了は0時。
急いで体を洗って湯舟へ。

「あぁぁ・・ これよ・・これ・・」

語彙力など無くなる。生き返るっ!って感じ。大きいお風呂は気持ちいいねぇ・・

お次は、サウナ→水風呂→外気浴→サウナ(以下ループ)のコンボへ。

「あぁぁ・・ ひらくぅ(?)・・」

毛穴かな?血流かな?語彙力失ってるもんね、仕方ないね。気持ちいいね。


「ーーお客様へ、閉館時間のお知らせですなんちゃらーー」

私は最後にジェット風呂でフィニッシュ。大満足である。
おっと忘れてはいけない。銭湯と名前がつくのだから、本当のフィナーレが控えてる。

そう

「フルーツ牛乳!!!」

私はフルーツ牛乳派です。他派閥の方と争う気はありません。普通の牛乳もコーヒー牛乳もいいと思いますけれど、私は小さいころから銭湯ではフルーツ牛乳だったのです。・・おばあちゃんにまた会いに行こう。


外の風が涼しい。体が火照ってるから、そう感じるのでしょう。
また1時間くらい、今度は家までだからもう少しかかるかも。でもしっかりとした足取りで前に進めてます。
もう周囲の家の電気はあまりついていません。
夜道を歩きながら、私は冷静になっている頭でこんなことを考えていました。

「やっぱり我が家で、スマホとパソコン見ながらゴロゴロするのもいいよね」

今夜のひとときの自由はおしまいです。明日からはまたいつもの日常です。

今日はいつもと違う「笑顔」で

「ただいま」