ゲシュ崩ログ 349 おてがみ
公園で子供と遊んでいたら、よその子供が一人で遊んでいた。
やっぱり現代は、公園で子供が一人で遊んでるのは普通の出来事なんだろうな…と思うと、埼玉県はほんとうに時代の先端をいってるんだな~と思った。いったいこれからの時代はどうなっちゃうのだろう。鉄腕アトムだったか手塚治虫の漫画の中に、未来の子育ては、ばい菌がうつらないようにと、子供を一生フラスコみたいな家の中で無菌状態でほとんど人と会わせずに繊細な植物か微生物か何かを純粋培養するかのごとく育てるみたいな描写があったんだけど、そんな時代の到来を予期してしまう。いや、もしかしたら、そういう時代は部分的にもう到来しているのかもしれない。コロナがあって、人と人の距離はどんどん離れた気がする。手塚治虫大先生の漫画のえがく人間像はすごい。
何かしてた時、子供がヘソを曲げて、「おかあさん嫌い」っていうので、しばらく熱を冷ますために、ちょと離れて掃除とかしてたら、後ろから泣きそうな顔をして子供がお手紙を私に持ってくる。
「読んでいいの?」
ってきくと、憎たらしい顔をしてうなずく。怒ってるみたいな顔してる。
お手紙には、ハートの封印マークが書いてある。かわいい。
中を見ると
「いままでありがとお」
って書いてある。遺書か?遺書なのか?みたいな不穏さがあるけれど、子供なりにお母さん嫌いっていったことにたいするモヤモヤした気持ちとかに整理をつけてあやまるではないけれど、お母さんと普通にお話したかったのだろう。
お母さん嫌いって言われた私のほうがごめんね、という。するとまぁ許してやるか、みたいに柔和になってくれた子供。子供がおてがみを書く。なんの掛け値なしに、親はとにかく何でもしたくなる。子供に生まれたならば、何度でも親に手紙を書くということをしたほうがいいな、と私は強く感じた。たった数文字で、恐ろしいほど効果抜群の、ラッキー行為だと思う。な~んでもしたくなっちゃう破壊力があった。子供うらやましい…。親がいる人は、たった今すぐ親にメールでもなんでも時々かわいい手紙を出すといいと思う。全世界の神様よりも確実にきっとなんだか不思議なまでに、親はきっと子供になんかしてあげるでしょう。そんな気がした、子供からのおてがみでした。よく考えたら、内容意味わからん。でもハートマークとかついてて、本当にかわいいと思いました。意味もなくケーキ買ってしまった。おそるべし、子供の手紙。子供はきっと、親に手紙を書くという行為が、どんだけ恐ろしい力なのか、きっとわかっていないだろう。