南南西
新品で組み替えた、イグニッションコイルとプラグケーブルのバイクへの取り付けが出来ないまま、1週間。始めてしまえば1時間で終わるのだが。
作業が進まない理由は単純で、4時半には陽が落ちるから。
屋外作業なので、暗くては出来ない。
とは言え、放っておいても仕方がない。
ライトを口にくわえ、暗闇で組付ける。
いま思えば、登山用のヘッドライトを使えばよかった。
イグニッションコイルは社外品。中華製はとても手を出す気にならないが、点火系パーツのサードパーティとして、たまに名前を聞く日本メーカー製。プラグケーブルはNGKなので間違えはないだろう。
しかしイグニッションコイルの形状が、若干純正と違う。これは組付けの際に手こずるだろうなと思いながら作業を始めたが、案の定だ。スロットルワイヤーとどうにも干渉するが、害はない範囲で何とか取り廻す。その他にも少々悩みながら、とりあえずは組付け完了。サイレンサーのセッティングも変更。
ひとまず試走する。
おお、良い感じかな。。。
いや、そうでもないか。。
うーん。。
意味の分からない吹け上りの不調に苛まれて、半年。
エンジンの腰上は全バラシでオーバーホールをした。
キャブレターもフルオーバーホールして、セッティングも大体出ている。
イグニッションコイルも変えた。
状況的に、もう点火系しか問題は想定できないとすれば、あとはイグナイターしかない。灯火類は生きているのだから、ジェネレーターは不問だ。しまったな、せっかくバラしたんだから、イグナイターもチェックすればよかった。
とは言え、ある程度の改善はみられた。
以前よりは、まともに吹ける。
しかし、それがまた謎。
キャブレターの問題ではないことは、もう確かだろう。
そしてイグニッションコイルが問題なのであれば、交換すれば治る。イグニッションコイルが問題なのではないならば、交換しても全く治らない。それなのに、「やや治った」という曖昧な状態。
なんだそれは。意味が分からない。
しかし、細かい話はどうあれ、少しは調子が良くなったのだから走ろう。
今日の日中の最高気温は18℃。
もう12月も半ばに近いというのに、どうなっているんだ。
朝食を食べ、捨てる予定の雑誌類の整理をし、熱帯魚の水槽の掃除と水の交換。
タナゴとドジョウの水槽のコケが悩ましいが、それはまた今度だ。
12時ごろ、エンジンを軽く温め家を出る。
海沿いの産業道路を南下して、環状3号線に入る。
しばらく横浜の丘陵地を走るが、陽の向きが悪く少々眩しい。しまったな、コンタクトにしてサングラスをかけてくればよかった。
環状3号線を左に折れ、南下する。北鎌倉を経て、江の島方面へ。
その間では、ちょっとしたミニワインディングを通る。ミニワインディングといっても街中のすぐ脇。交通量も程々にあり、そんなには飛ばせない。まあ飛ばす必要もないのだが。
途中、東京電力の検針のオバちゃんが乗る原付三輪スクーターが前方に。こちらが追いついたことに気づいたオバちゃんがペースアップ。慣れってすごいよね。下りとは言え、原付三輪スクーターで良い走りをする。
山間の道から唐突に地面は平たんになり、江ノ島電鉄の路面線路を跨ぐと、快晴の相模湾に出る。
陽光に白む見渡す限りの海原と、水色の空。
トンビが上空で群れている。
風は緩い。
海沿いの134号線を左に折れて、葉山方面へ。
やや渋滞しているが、車列をすり抜けたりはせずに、そのまま渋滞に合わせて走る。波打ち際の道を、ボンヤリと渋滞に巻き込まれながら走るのも悪くはない。
少し向こうに、もう2年近く出向いていないヨットハーバーが見える。
別にヨットを降りたかったわけではないが、色々な兼ね合いの中での落としどころなので、仕方がない。それでもヨットに乗りたければ、自宅の近くのヨットハーバーに船を置いている知り合いに声をかけ、気が向いた時に彼の船い乗せてもらえばいい。そういえば、10月になったら乗りに行くよと伝えたきり、12月になってしまった。
滑川の交差点を過ぎると道は多少すいてくる。それでも、逗子を越えて渚橋の交差点で森戸海岸側に曲がる車列が、道を塞ぐ。
そこを抜ければ、あとは順調だ。
時折出向く、秋谷海岸沿いの喫茶店へ。
世話になった前のオーナーは、もういない。それでも、居抜きで店を引き継いだ現オーナーが、当時とあまり変わらない店の様子を保っているのがありがたい。ここに来ると、ベタベタに車高を落としたボロい75年式のセリカで、爆音を響かせながらやって来る若造の相手をしてくれた、白髪混じりのロングヘア―を束ねた彼のことを思い出す。
いつかは彼の乗っていたスーパー7に乗せてもらいたいと思いつつ、それも叶わぬままに、そして何の礼も出来ぬままに彼は死に、自分は52歳になった。
ジャークチキンライスとノンアルコールビールを注文した。
15時も過ぎて、やっと昼食だ。
テラスで、既に傾き始めた太陽に黄色く染まりつつある海と、その向こうに浮かぶ富士山を眺めながら、喉が渇けば美味しく感じるノンアルコールビールを飲み干す。
店内に戻り、いつもどおり店にいる犬と遊ぶ。なんという犬種か分からないが、ドッグフードのペティグリーチャムの広告に出てくる犬みたいな、黄土色の可愛い犬。
辛めのジャークチキンを食べた後に、口直しのコーヒーを飲み、店を出る。もう16時だ。長居は出来ない。
134号線をさらに南下し、本当は三崎を回って横須賀を経て帰宅するつもりだったが、間もなく日が暮れる。三浦半島を横切って、横須賀方面へ直接向かう。
三浦半島の内側、ほの暗い山間部を走り汐入駅を過ぎたところで、突然に横須賀の街の明かりの中に飛び込む。横浜から三浦半島方面は、いや神奈川全体が、狭い相模平野を除けば海岸線以外に平地がほとんどないので、どこに行ってもこういう具合だ。
横須賀には着いたものの、これと言ってやることもない。
バイクでなければドブ板通りでアルコールの2、3杯も飲むところだが、それも叶わない。
陽も沈み、トワイライト・タイムも過ぎ、僅かばかりの残光を残すのみとなった空を仰ぎ見る。ここからは一気に肌寒くなる。
バイクでなければドブ板通りでアルコールの2、3杯も飲むところだが、それも叶わない。
陽も沈み、トワイライト・タイムも過ぎ、僅かばかりの残光を残すのみとなった空を仰ぎ見る。ここからは一気に肌寒くなる。
帰途に着こう。
バイクを横浜方面に向ける。
金沢八景から八景島に近づき、小柴の漁港を抜ければ、そこから先は首都高速湾岸線の高架下を走る、広くまっすぐな道を行くだけだ。ここからは道路の速度制限も緩くなる。
機嫌の直らないバイクも、5000回転オーバーまで回せば淀みなく吹け上がっていく。高回転が苦手な超ロングストロークエンジンに鞭を打ち、レッドゾーン直前の8000回転まで回し切って、一気に家まで走っていこう。
いつもの交差点を、いつものように曲がり、いつもの坂道を駆け上がり、いつもの急カーブを過ぎれば、もう家に着く。なんだかんだで、家に近づくとホッとするものだ。
車庫にバイクを仕舞い、カバーをかける。
今日は100㎞以上は走っている。
こいつの機嫌が直らないのは困ったものだが、まあお疲れ様。
どうしたものか、また考えてみるよ。
明日は水泳のトレーニング。
最近、痛みの酷くなってきた左肩のために、昨日今日と泳いでいない。
明日はどうするかな。
まあ、とりあえず駅前のバーに行って、ビールでも飲むことにしよう。
そうだ。
その前に、犬の散歩に行かないと。
新調した光る首輪で、夜道の散歩だ。
では、また。
おやすみなさい。
もえーん
2023/12/13 21:18:50
>凄まじい速さで錆びる
どうなんですかね。ウチも周りは海だらけですけど、あんまり影響を感じたことないんですよね。なんだろう。。。
・とんとん・
2023/12/12 23:50:49
う・・・原付に乗ったことがないですがw
きっと気持ちいいんだろうなあ~
ああ・・・・せめて実家に自転車があれば便利なんですが、凄まじい速さで錆びることを考えると買う気になれない。
少し長めに実家に帰った際は、一日は自分のために時間を使います。
葉山マリーナや逗子マリーナ辺りまでのお散歩をすることも多いんですよ~♪
海の見えるお店で友人とおしゃべりしたりw
もえーん
2023/12/12 03:22:23
そうですね。とんとんさんは、あっち側は切り離せない人ですからね。
車は楽しいし、いま乗っているようなコンフォートなものなら(若い頃は、いま思えば拷問のような車ばかり乗り継いでたので…)気楽ですけど、やっぱり生身の状態で走るバイクの感覚は、別物ですね。
暖かい日に、ぼんやりと乗るバイクは気持ち良いですよ。とんとんさんも、どうですか? 原付でも。
・とんとん・
2023/12/11 16:37:13
馴染みのある場所がいっぱい出てくる文章だ~♪
暖かい日が続いていましたね~
もえーん
2023/12/10 21:04:53
変わり映えのしない毎日が、早く終わりますようにと祈り始めて18年になります。
でも、あと5年ほど続くようです。続かない可能性もあります。
我が家でわたくしは「当たり前」でしかなく、「ありがとう」という空気を感じたことはありません。
あと5年、どうやって生きながらえるかを考える。
がんばろう。
かぉりん
2023/12/10 20:10:01
「ありがとう」の対義語は「当たり前」だそうです。
変わり映えのしない毎日に「ありがとう」
もえーん
2023/12/09 21:28:00
なんだか、ほとんど同じような日記を以前も書いたような気がする。
代り映えのない日常。