死者の声2
一昨日、墓参りに行きました。
墓参りに行く時はいつも、誰の命日で行くのであっても、
父と母と娘の3人分のお供えを買って行きます。
父には、いつも飲んでいたワンカップ大関。
母には、好きだった梅酒か赤ワイン。
娘には、生きていたら好きであろう飲み物。
小さい頃は、小さな紙パックのリンゴジュース。
小学生の頃は、普通サイズのオレンジジュースとか。
中高生になったら、炭酸飲料とか。
生きていれば二十歳の年からは、
お洒落な女の子が飲みそうなサワーやカクテル。
娘が何を飲みたがっているかを想像して、
娘の声を聞き取ろうとして、
それが、少しだけ、楽しく感じていました。
でも、一昨日、お供えを買う時、何も考えられなくなりました。
生きていたら28歳だけど、
本当にカクテルとか飲んでいただろうか。
日本酒や焼酎の方が好きだったかもしれないし、
反対にお酒は飲めない体質だったかもしれない。
実際には何が好きだったのかが、分からない…。
想像したくても、もう、娘の声が聞こえてこない。
いや…。
「実際には何が好き」って、
実際には…、
実際には…。
もう、忘れてもよい頃なのかもしれません。
弔い上げの33回忌にはまだ数年あるけれども。