モリバランノスケ

珍客

日記

私の住いから、少し離れた所に、小さな沼がある。西側湖岸の壁面から、温泉が流れ出ており、又、その辺りの湖底からも、ブツブツと泡粒が吹き出ている。そのためか、温度がマイナスとなる冬期でも、凍結することがない。

枯木の、老エゾ松によると、シベリヤからの、渡り鳥達はそこを目指して飛来し、越冬するのを、昔からの習わしにしてきたらしい。その昔人類と同じように生命として誕生した鳥類は、命を永らえる為、高い飛行能力を身につけた。

今朝も、そのうちの一家族が、老エゾマツの枝に羽を休めていた。私は、朝食を取りながら、その様子を眺めるのを、愉しみにしている。後で、彼等の間で交わされた会話の内容を、老松から聴くことになるが、微笑ましい光景だ。

今朝の話は、ロシアとウクライナの紛争。特に、ウクライナ国民の悲惨な現状と苦しみについては、双方、真剣に話し合い、解決の道筋について、激論を交わしたらしい。

私は、老エゾマツに尋ねる。(それで、どんな結論になつたんですか?)。彼の答えは、<この問題は、今、この地球上で起こっている多くの難問の一つ。全ては、人類が、表向きは、文明、文化、技術の発展の為として、内実は自分の欲の為、他の民族、生命(哺乳類、鳥類、魚類等)を痛めつけ、環境を破壊し続けてきたことが遠因。今、すぐに求められるのは、総てをゼロにしても、他の命、環境を尊重する考え方の出来る、ニューリーダーの出現である>>>