モリバランノスケ

キノコ

日記

今日も、雪が降っている。
庭の、老エゾマツも、雪煙に霞んで見える。
私は、窓から、(おはよう御座います)と、声を発声しながら、朝の挨拶を交わした。そして白いマントを被ったような彼の姿を眺めた。

この情景からは、秋の風景は想像出来にくいが、老エゾマツの周りには、沢山の実りがもたらされる。キノコてある。ここ、北海道では、ボリボリという、内地のナメコである。私は、今、老エゾマツから聞いた、キノコと野ウサギの話を思い返している。それは、昨秋、彼を交えた彼等の間で交わされた会話の内容である。

老マツ 今年の実り具合は、素晴らしい。
キノコ お陰様で。酷暑を何とか乗り越えた。
ウサギ 今年も、会えて嬉しいヨ!。
キノコ でも、心配がある。あのログハウスの
    住人。何時も、籠に一杯我々を摘む。

彼等の話を小耳にはさみ、老エゾマツは話す。

老マツ でも、君達は、胞子で殖えるんだ。彼
    が、歩いたり飛んだりできない君達の
    代わりに、胞子を拡げてくれてるのさ
キノコ それは、分かってる。でも、これか ら
成長する若いキノコまで取るだゼ。
ウサギ それは、良くないよ!。あの家の犬、  
    クリとは友達だから、主人に伝える様
    良く言っとくよ。

私は、このことを、愛犬のクリからも聴いていた。そして、老エゾマツからも聞かされて、改めて、今年の秋からは気を付けようと考える。