もえーん

集めるものは、何もなかったのか

日記

日記ネタを予告していましたが、それをこなす前に、ひとつ別の話を。



小説やらだけではなく、漫画まで読むペースが追い付かずに積読になりがちだった最近。やっと大よそを消化したので、遅ればせながら手にした漫画があった。


セクシー田中さん


なんか流行ってるし、読んどくか、くらいのつもりだった。


そうじゃなかった。
久しぶりに、凄い漫画だと唸ってしまった。

基本はラブコメ。
でも、散りばめられる珠玉の言葉たち。



たわいもなく、でも砂浜を歩くかのようにもどかしく、些細なのにまとわりつく、そんな日常を生きていく漠然とした生きづらさ。
それを、こんなにも軽やかに描きだす漫画は、そうそうあるものではない。

こんな凄い漫画家がいたのか。
そう思いながら、毎日一巻づつ買って読み進めていた。





そして5巻まで読んだ翌日。





突然、もうこの漫画の結末を読むことは、永遠にできなくなってしまった。




6巻で、自分自身で言っていたじゃないか。



コンビニのスイーツが美味しかった。
ニャンコが振りむいた。
眉が綺麗に描けた。
できなかったダンスが出来るようになった。
ひとつひとつは些細でも、たくさん集めると生きる理由になるじゃないですか。



色々と軋轢はあったのだろう。
意図しない世間の身勝手な盛り上がりで、収集がつかなくなる事態に打ちのめされたのかもしれない。












でも、なにも死ぬことはないじゃないか。












自分の漫画で、あれほど饒舌に、まさに自分が置かれてしまった状況をクリアするための方法を、描いていたじゃないか。

嘘つき。

悔しくて、泣いた。

集めるものは、なにもなかったのかよ。






彼女を追い詰めたのは、ドラマ云々じゃない。

顔も名前も見えない中で、好き勝手を言い放題にばらまいた、お前たちが彼女を殺したんだ。

本当に、わたしは「大衆」が嫌いだ。

私も大衆だけどさ。



だけれども、驚いたよ。
日テレのサイトで、終了したドラマ一覧からセクシー田中さんが削除された。
その他、あらゆるコンテンツから消滅した。



面倒は御免なので、無かったことにします、と。



日テレを批判しようとはあえて思っていなかったけれど、気が変わった。



クズだ。



まだ単行本収録をされていない数話が8巻として出版され、そしてこの漫画は終わるのだろう。いや、発売もされないのかもしれない。

どっちでもいいけどさ。

わたしは、それでもこの漫画を本棚の一等地に置いておきたい。

ていうかさ、なんで才能ある人はサッサと死ぬんだろうね。

わたしは長生きできそうだな。

  • もえーん

    もえーん

    2024/02/05 01:05:08

    今月は、亡くなる人が続いてゲッソリです。

  • かぉりん

    かぉりん

    2024/02/04 21:25:26

    同年代というのもショックでした。
    ドラマは見てなかったので、
    漫画とどれ程違ったのかは解りませんが。

    先日、幼馴染の男の子が病気で亡くなりました。
    去年お兄ちゃんも亡くなって、
    父親が「2人の息子を亡くした」と
    悔しがってたそうです。

    生きて欲しかった。