梅の花
今日は、全くの無風。しかも、春めいた陽光が温かく降り注ぐ、快晴。私は、三人(?)と、朝食を楽しんだ後、晴れた日の習慣、朝の散歩に。
先ずは、ベランダから、草木、樹木達に、(おはよう)と朝の挨拶を。彼等からも(オハヨウ)と。
それから、ベランダから出て下に降り、階段を南西方向に下る。途中、青年クスノキに挨拶。下に降りきって、クロマツに挨拶。そこで、クロマツ君の枝上での朝食を終えた、ポン太が
私に合流する。二人は、庭を横断するように歩き、南の端まで。そこには、二本の梅の木が、棲息している。樹齢は、左は25年、右は5年。
私は、手に下げてきた、携帯チェアを開いて、ヨイショと、ひと声出し、ユックリと座る。そして、ポケットに入れてきた細長い器の蓋をひねり一口飲む。自家栽培、焙煎した、コーヒーが、体内に染みわたる。そして、瞳を閉じる。
瞑想の世界に入る。始まる、静寂の時間。雑念のない世界に入るのだ。それは、私にとっては、何にも代えがたい、大好きな至福の時。最近、私は、それを、祈りと称している。どこか、宗教臭くて嫌な気もする。が、黙祷と考えるのなら違和感がない。例えば、能登半島地震で被災された方々への黙祷の様に・・・・・。
しばしの祈りの後、樹齢25年、樹肌がゴツゴツと、枯木風に成長した、梅に言葉を掛ける。
私 (元気そうですね。花は満開。今年も見事)
梅 (お陰さまで。貴方も、お元気そうで)
私 (昨年は、実のつきが、良くなかったけれど
今年は、どうだろうか?)
梅 (このところの、異常気象に体がついて行け
ない。今年も、あまり、自信がないです)
私 (世間を気にして、あまり無理しないように
自分の気持をベストコンディションにする
事が大事。のんびりと楽に生きて下さい)
その時、微かな風が、サァーと辺りを吹き抜ける。どちらが云った訳ではないが、なんとなくいつもの雰囲気に。実は、梅の木の趣味は落語を語る事。(グゥ)と一つ咳払いをすると、徐ろに語り始める。因みに、名前は、心風亭梅太。
○落語の内容○
丁度、季節は今頃。梅の盛で御座います。川の辺りを、長屋住いで、その日暮らしの、梅太郎が歩いております。彼は、義太夫狂言やお笑い狂言の作者。その作品は、一向に認められず、不評である。彼は、川端の梅に、語り掛けます。
彼 (どうして、私の作品は、駄目なんだ)
梅 (笑いのセンスが、無いのでは!)
彼 (そのセンスと言うのは、いったい何?)
梅 (少し、考え過ぎていませんか?。それは、
ナンセンスの事ですよ!)
オアトガヨロシイヨウデ。