なるべく気楽に気楽に~!

紫音-sioto

精神的な疾患を持ってる私の気楽に気楽に生きたい願望です~!
ちょこちょこ愚痴も入りますが、嫌な思いをされる方がいたらすみません><

柔くしなやかな月の下で

自作小説

第六章

いつもの事だが、午後の仕事へと集中し始めると私はあっという間に
17時を廻る頃に、一息つく事が出来る。
その間、15時に十分毎の休憩はあるのに、
何故か、毎回気が付くと17時なのである。
溝口は15時の休憩時には私に声を掛けなかった。
溝口なりの優しさなのかもしれないのだが。
17時はこの会社の定時でもある。
17時になる迄私は集中力が途切れない為、周りの人達がバラバラと帰宅していく光景を
良く見かけていた。
17時少し過ぎていたが、それも私にとっては通常運転だ。
隣に居た溝口も帰宅する為に、片付け等をしていた。
私の電池切れに気付いた溝口は「あ、気が付いた?お疲れ」と私へとにこやかに語りかけ、
「お疲れ様」と笑顔で返す。
「上河は今日も残業?」と私へと問う。
「うーん、そうだね、もう少しだけ明日の分の資料もまとめておこうかな」と返した。
「相変わらず、真面目だねぇ」なんて笑って、「私は今日は帰るよ、明日もあるしね!」
そう言いながら、帰る前に珈琲を飲みながら荷物をまとめていた。
「明日も無理なくね、溝口」と声を掛け、「ありがと!」とお互いに労い合い、
溝口は「残業の前に一服行く?」と私を誘った。
「そうだね」と私と溝口は喫煙所へと向かう事になった。
「その前に、珈琲良い?」と私は問い、「勿論!」と帰る身支度をしながら、
溝口は答えてくれた。
私は一息つく為に珈琲を淹れに席を立った。
溝口はいつの間にか、ロッカールームにある筈の薄めのコートも羽織っていた。
相変わらず、可愛らしい恰好だなと私は感心しつつ、女性らしい溝口に羨ましささえ感じていた。
珈琲に目を向け、私には出来ない格好だ…と思ってしまう。
溝口の私生活までは私は知らなかった、と言うより「知る必要性」を感じなかったのだ。
別に嫌いなわけではない、只溝口に対してなんとも思っていなかったのだと思う。
「私は嫌な人間だな」と思う間に、珈琲が淹れ終っていた。
自分のデスクへと戻り、一息つく。
溝口は小さな鏡を取り出し、リップを塗り直しながら、「上河の珈琲が飲み終わったら一服行こ」
そう言われ、「ありがとう」と私は笑顔で返事をした。
私は珈琲を飲み干し、「煙草行こうか」と溝口へと声を掛けた。
「うん!」溝口はなんだか嬉しそうに、笑顔で応えていた。
溝口は荷物をまとめ、私はバッグから煙草ケースを取り出し喫煙所へと向かう事になった。
喫煙所にはほぼ人が居なかった。
二人の時間が淡々と過ぎて行く、そんな空間。
私は溝口へと「今日もお酒飲みに行くの?」なんとなく疑問を投げかける。
「うん!飲みに行く!」朝の溝口とは別人の様に楽しそうに笑って居た。
「身体、大事にしてよ?ほんとに」そんな会話が続く。
煙草ケースから煙草を取り出し、火を点ける。
溝口も煙草に火を点け、吸い出し「今日も疲れたね」そんな会話をしながら
ゆっくりと煙草を吸っていた。
煙草を吸い終わる頃、「さて、私は帰ろうかな」溝口がそう言い席を立った。
私は「明日も無理しないでね」と笑顔で伝え「ありがとう!じゃあね!」そう言い残し、
喫煙所から出て行く溝口を見送った。
溝口と話している間に、喫煙所に人は誰も居なくなっていた。
私はもう一本吸おうと思い、煙草を取り出し火を点けた。
今日は何時まで残業しようかな、なんて考えながらゆっくりと呼吸をしていた。
正直、リム君が待っているだろう部屋へと帰りたかったが、
私は精神疾患でフルで勤務出来ない事への罪悪感からいつも残業をしていた。
「さて、仕事にでも戻るか…」そう私自身へと言葉を発し、デスクへと戻る事にした。

  • .:*みん.:*

    .:*みん.:*

    2024/03/09 17:53:03

    主人公さん 集中力があるのはいいけれど
    毎日(少しでも)残業は身体に良くなさそう><
    そういう契約なのだし 主人公さんは無理に働かなくてもいいのに
    って思うけれど
    つい罪悪感を持ってしまうのもわかる気がします。

    可愛らしい雰囲気が似合う方っていますよね。
    私もそういう振る舞いや服装ができる方を羨ましく感じます。
    私もそういうのは似合わないから無理かなあ。

    早く帰れますように。