なるべく気楽に気楽に~!

紫音-sioto

精神的な疾患を持ってる私の気楽に気楽に生きたい願望です~!
ちょこちょこ愚痴も入りますが、嫌な思いをされる方がいたらすみません><

柔くしなやかな月の下で

自作小説

第八章

私は取り敢えず、部屋着へと着替える為「着替えて来るね」そう伝えて
寝室へと入って行った。
壁越しに、「すずさん、何か飲み物入れましょうか?」と尋ねられ、
「白湯を入れてくれる?」とお願いした。
「分かりました!ケトル使っても大丈夫ですか?」と聞き返され、
私は、「大丈夫よ」と答えた。
白湯を入れて貰っている間に私は着替えを済ませ、リビングへと出た。
「お疲れじゃないですか?」と私へと言葉を掛けてくれながら、
「どうぞ」と白湯をテーブルへと置いてくれた。
「少し疲れたかな」と微笑んで見せたが、「疲れちゃいますよね…だってもう21時前ですし」
と私に気遣いを見せてくれる彼がいた。
「大丈夫よ、いつもの事だからね」と、笑顔で応え白湯を一口飲んだ。
小さなテーブルに置かれたパンを見て「一緒に食べようか」と彼へと言葉を掛けた。
座っても大丈夫かと聞く彼に、「大丈夫よ、さ、座って」と伝え
彼は私の目の前に腰掛けた。
「ありがとうございます」…「良いのよ、大丈夫」そんな他愛もない会話から入って行った。
今日のサンドイッチが美味しかった事や、朝の慌てぶり等、本当に他愛もない会話。
「今日は一日何をしてたの?」私は彼へと気になっていた事を尋ねると
「あ!今日は、ずっとすずさんのお部屋にいて、悪いとは思ったのですが、拭き掃除をしてました!」
と言って、私は驚く事しか出来ずにいた。
「掃除迄してくれたの?」…「あ、はい…大丈夫でしたか?」
「勿論大丈夫だよ、ありがとね」…「あ、でもリビングだけなんですが…」
「十分だよ、ありがとう」
他の部屋へと入らないでくれる彼の配慮に有難くも、なんだかこそばゆい感覚を覚えた。
二人してパンを頬張りながら、「これ美味しいですね!」なんてにこやかに言う彼に
パンで良かった…とホッとした。
「全部種類が違うんですね、全部半分こしましょ!」そう言いながら、
二人で半分こしながらパンを食べ、話をした。
私は二つのパンの半分でお腹が満腹になりそうになった為、
「お腹一杯になって来ちゃったから、残り食べちゃって良いよ」と言ったが、
彼は私に合わせてくれたのか、「明日また一緒に食べましょ!」と言った後に
「あ…いつまで居るんだって感じですよね…すみません…」
私が気にも留めていなかった事を彼は気にしてくれていた。
「すずさんは…何故か、一緒に居て落ち付いちゃって…なんだか…安心感と言うか…」
「凄く…言いにくいんですが、僕…その、セックスが怖くて…」
私と同じだ、そう思った瞬間でもあった。
「そうだったんだ…言いにくい事伝えてくれてありがとね?」
「いえ…唐突にすみません…」
「良いんだよ、気にする事ないよ…私も同じ様なもんだから」
私は、言葉を選びつつ「もし良かったら、どうしてそうなったのか聞かせてくれる?」と
言いたくない事もあるんだよね、人って…と思いながら答えが返って来るか分からないまま
聞いてみる事にした。
「あ、全然大丈夫です…聞いて頂いて貰っても良いんですか?」
「うん、話せる範囲で大丈夫だからね?」…「お時間大丈夫ですか…?」
そう、気を遣ってくれる彼に対し、「明日は休みだから、問題ないよ」と微笑んでみせた。
それから、朝方になる迄彼と話をした。

  • .:*みん.:*

    .:*みん.:*

    2024/03/17 11:35:01

    座ってもいいのか
    ケトルを使っていいのか

    頼まれたから
    食事をするから
    ちゃんとその理由があるのに ひとつひとつ確かめる リムくん
    律儀でいいですね。

    次のお話が楽しみです。
    どんなお話したのかな。