なるべく気楽に気楽に~!

紫音-sioto

精神的な疾患を持ってる私の気楽に気楽に生きたい願望です~!
ちょこちょこ愚痴も入りますが、嫌な思いをされる方がいたらすみません><

柔くしなやかな月の下で

自作小説

第九章

彼は、少し苦笑いしつつ色々と話してくれた。
元々はbarで働いていた事、そこで知り合った女性に恋をしていた事、
その女性がセックス依存症だった事、そして彼はその女性の性の捌け口にされていた事…。
彼は話しながら涙を何度も我慢している様子で、「すみません…お水を頂けますか?」と
少し呼吸が浅くなっている様にも見えた私は、「大丈夫?」と尋ねながら
水を準備しようとキッチンへと向かった。
リム君は、リュックの中から白い袋を取り出しながら、「…パニック障害があって…」
そう言い、無理に笑おうとしている様にも見えた。
私は、「そっか、無理に笑おうとしなくて良いんだよ」と彼へと水を渡す。
「あ…ありがとうございます…」安芸リム様と印刷された白い袋から、薬を取り出し
薬を口へと運び、水を一気に飲み干した。
原因は恐らく、今一通り話してくれた事だろう。
「女性」という「存在」が怖いのかもしれないな、そう思った私だったが
呼吸が浅くなっていくリム君を前に「私に何が出来るだろう…」考えに考えを廻らせた上で
彼へと、「リム君?背中をさすっても大丈夫そう?」と尋ねた。
「あ…はい…」と答える彼の隣に座り、呼吸が乱れ始めていた彼の背中をさすり
「ゆっくり呼吸して」と伝える方法しか思い付かなかった。
数分は背中をさすっていただろうか、彼は一つ大きく深呼吸をし、
「ありがとうございます…少し落ち着きました…」と言い、ベランダに出て良いかと
私へと尋ねた。きっと煙草が吸いたくなったのだろう、と察した私は
部屋にあった灰皿を差し出し、「ここで吸いな?」と彼に伝えた。
彼が煙草に手を付けやすい様に「私も一緒に吸おうかな」そう言って、
出勤バックの中にある煙草ケースを取りにリム君から離れた。
「…ありがとうございます」彼は私が煙草に火を点ける迄の間、呼吸を整えようとしている様に見えた。
私が煙草に火を点け、吸い出すと「僕も…良いですか?」と聞き
私は「勿論」と笑顔で応えた。
二人で、煙草を吸っている間気まずくなったのだろう彼は
「何だかすみません…今日は…情けない所を見せちゃいました」なんて
私に気を遣ってくれるかの様に照れた様に笑って居た。
「あの…差し支えなければで良いのですが…すずさんのお話も聞かせて頂きたいです」
そう言って、少し辛そうに笑って居た。
「多分ですけど…朝飲んでいたお薬って、精神的な物の…じゃないですか?」と
私へと抱いていた疑問を投げかけていた。
彼がその時どういう気持ちで、私の話を聞こうとしてくれたのかは分からない。
私は「眠たくない?」そう聞いた上で、「僕は大丈夫です」と答えてくれた彼へと
過去を共有するのも良いかもしれないな、と思った私は煙草を消し、一呼吸置いて
「それじゃあ、聞いて貰おうかな」と少しづつ自分の過去を話し始めた。
時刻は、深夜の23時を廻ろうとしていた。

  • .:*みん.:*

    .:*みん.:*

    2024/03/17 11:47:53

    女性が原因のパニック症候群
    でも それでも一緒にいられる主人公さん
    考えると不思議なのですが
    リム君が変われるきっかけになってくれそうですね。
    そして
    主人公さんも変われるのかも??
    展開に期待してしまいます。

    煙草って気持ちを整えるのに良さそうですね。
    残念ながら私は呼吸器系が弱いので吸えないのですが
    吸ってみたくなります。