ヘルメス

ヘルメス

昔、昔ギリシャにゼウスという神がいました。
その末っ子の名前はヘルメス!
その800代目の子孫が僕ちゃん!
決して嘘八百ではありません。
自由気ままな僕は泥棒や山賊の守り神

3.11

小説/詩

 この詩は3.11について10編くらい書いた中の1つです 



大地はあの日
自分の肌に刻み込まれた無数の傷を
洗い流すため
はげしく身を震わせ
大きな波を呼び寄せた

その夜はとても美しい星空だったというが
見上げた者はいない

夜空の星を妨げる明かりもネオンもないというのに

地上が火に包まれ
暗闇が恐ろしいほど世界を支配した

人々は

自然を本当に恐ろしく感じた原始の世界に迷い込んだ

朝の光の中で
誰かが泣きながら言った
使い物にならなくなった土地は捨て
どこかへ行くしかないのか

きのうまで住んでいた地面は
どこまでも続く浅い海に変わり
ただ空を映している

あの海の底で人が呼んでいる
だから風がこんなに強いのか

あの日から
心を通り過ぎていく「時」の測り方も忘れた
かつて時間は風のように
私たちや木々の中を吹きぬけたものだが
たしかあのあとやってきたのが
春というものだったのかだれも分からない


距離も時間も飛び散ったあと

目に見えないものを測り続ける日々が始まった



  • ジプ

    ジプ

    2024/03/12 08:35:55

    久しぶりの詩…

    あの時読んだ記憶があるよ。

    今読んでも心が揺れて涙が出た(T_T)