さまがわり
今朝は、夜半から、あめもよう。今も、時々、こぬか雨が、草木樹木達の、葉や樹肌を優しく濡らし続けている。私共夫婦は、いつもの様に
お蝶、チャム、カスタム、達と、肉体のみならず、心まで健やかになる、Breakfastの最中だ。
朝食の後は、楽しい会話と語らいの時間へと続く。そんな中で、お蝶が、どこか心配げな表情を見せて、私に、語りかけた。
蝶 (そういえば、ご主人が、少年時代を過ごされた、懐かしい故郷を、昨年、訪れました)
私 (そうだったんだね。私は、成人してから、一度も行ったことが無い。変わったろうなあ)
お蝶は、(光様)との、出合い、そしてなにより、悲しい別れを思い出すだろうから、話すのは苦しいだろうに、今朝は、気分が、殊のほか良いのかも知れない。札幌への、北帰行の途中に寄った、私の故郷の、今の姿を話してくれた。
それは、私が、昨日話した、想い出の姿とは様変わりしていた。
○お蝶の話し○
ご主人の故郷は、ほんとうに、様変わりしていた。先ず、冬にスケートを滑り、楽しんだ沼は姿を消していた。原因は、太平洋(内浦湾)側に、港を築港した事による。その為、沼の水位が下がり、湿地帯に姿を変え、中央に細い川が一本流れていた。ご主人が住んでいたのは、沼の東側。西側は、貧しい酪農地帯。然し、今は、自動車メーカーのM社のエンジン工場が出来、貧しかった酪農家達は、土地成金に。東側も、乳価の低価で、酪農から離れる人達が増え、昔の面影はない。養豚や養鶏に転ずる農家が多い。
いずれにしても、過疎化が進み、目を覆うばかりである。
私は、お蝶の話を聞きながら、次の様に思う。
⚪飽くなき欲望の追求を続けた結果の姿⚪