コーヘイ

重賞展望

日記


最近世代レベルが云々という話をよく聞くけど、世代全馬ひっくるめてレベルを語るのはナンセンス極まりないと思うんよね。レースレベルを判定することは大事やけど結局のところ能力や適性は個別に分析する以外ないよと。確かに去年の牡馬クラシック路線は総じて低レベル戦やったけどそれをもって4歳馬は全部軽視なんて考え方はアホのすること。今週末の重賞は桜花賞、阪神牝馬S、ニュージーランドTの3つ。今年もクラシックが始まる。

【桜花賞】春までの牝馬クラシックの王道路線は阪神JF⇒チューリップ賞⇒桜花賞の阪神マイル3レースやけど暮れの荒れ馬場+速い流れの阪神JFは差しが決まりやすく、開催前半の綺麗な馬場+スローのチューリップ賞は内前有利で、最終週で内前を通る利が少ない馬場+速い流れの桜花賞はまた差しが決まりやすいというのが以前の基本構造やったけど京都改修中のロングラン開催に耐えられるように馬場をしっかり作り込んだことやBコース替わり1週目に行われたこともあってか21~23年は顕著に内や前有利なレースに。今年は4年ぶりに最終週のBコース使用2週目での開催で以前のような決め手のある馬が差せるような馬場が戻ってくるのか内前有利な馬場がトレンドとして継続するのかが最大のポイントになりそう。先週見る限りは時計自体は出やすくここ3年と変わらん感じもするけど差しは結構決まってたからね。勿論展開次第な面もあるけど現状極端なトラックバイアスは感じひん。あとは有名なデータやけどオークスと比較すると馬格のある馬の好走が目立つ。血統ではディープやキングマンボといった所謂主流血統が普通に目立つ。

まずは阪神JFの上位3頭は4着を3馬身離したわけやから能力に関しては評価は必要。ただレースレコード自体は前日の同条件リゲルS(L)もレースレコードが出てたように単に馬場自体が良かった面が大きく、例年以上のハイレベルというわけではなさそう。アスコリピチェーノはそれまでの2戦と比べてペースが上がってもしっかりこなせたし外を回さず上手に立ち回れたようにマイラーとしての完成度は高い。あとはスタート自体は速くないしダイワメジャー産駒だけに極限の上がり勝負になった時、内有利な馬場で外枠を引いた時に後ろから差せる脚があるかってとこかな。熱発で帰厩が少し遅れたなんて話も少し気になるとこやね。ステレンボッシュは勝ち馬の進路をトレースするようにして直線内から迫ったけど最後は脚色が同じになって2着。能力的には立ち回り次第では逆転もあるとは思うけどアスコリと比べるとより中距離馬的で速い流れで位置を取る感じでもないからね。更に時計も含めレベルの上がるマイル戦でとなるとどうなんかなってのはある。コラソンビートはマイルではちゃんとラスト甘くなってるように現状では千四ベスト。ここ3年のように内前有利な馬場で内枠を引いてせこく立ち回るのが好走の条件になりそう。別路線からはクイーンC勝ち馬のクイーンズウォーク。35.4-23.3-34.4と中盤以降はそこそこ流れたけど前半スローの流れは差しやすいとは言えず、この流れを大外枠から終始馬群の外を回して後方から差し切った内容は強かったと見て良さそう。速い流れの経験がないのは気になるけどスタート自体は遅くはないしクイーンCも意図的に控えたような印象。母ウェイヴェルアベニューはアメリカのダート短距離で活躍した馬で半兄グレナディアガーズも速い流れで基礎スピードを問われて良さが出るタイプやっただけにむしろ良さそうな感はあるんよね。オークス向きって言われてるけど血統や馬体なんか見るとワンターンの千六~千八くらいが良さそうに思うんやけどどうやろ。チェルヴィニアはアルテミスSではサフィラやスティールブルー、ライトバックあたりを子供扱いで内容、時計も上々と器の大きさ自体は世代でも1,2を争う馬。ただ気になるポイントが2つあって1つは阪神JFを回避した後クイーンSやチューリップ賞も使えず結局約半年ぶりでの出走になったローテーション。予定通りの直行ならともかく体質を考慮してのローテは少なくともプラスではないはず。もう1つは3戦全て前後半差2秒以上のスローの経験しかないこと。これもオークス向きって言われてるけど個人的にはこっちは同意。中距離馬的なタイプの方が当然追走ペースが上がると末脚は削がれるからね。スウィープフィートは前走チューリップ賞はハマった(というか武豊騎手が上手くハメ込んだ)印象が強くてあれ以上となるとどうかなと。穴っぽいところではタガノエルピーダはここ数年みたいな内前有利な馬場なら買いたいけど残念ながらチューリップ賞で権利取りに失敗して除外濃厚。あとはイフェイオンは前走フェアリーSはレースレベル自体は大したことないけど急緩急の流れを先行して勝ち切った内容は悪くないし、安全に外を回して好時計で勝った未勝利戦、スローを急ろから差し損ねた新馬戦では内から伸びて来たように脚質に幅があるのは良いかな。最後にボンドガールは新馬戦ではチェルヴィニアを下したように能力自体は世代上位やと思うけどこれも半年ぶりのローテで強く推すのは怖い。サウジアラビアRCでは掛かって自滅したしペースが上がるのは悪くないとは思うんやけどね。