麒麟

麒麟

♪♪♪ ...の庵 ♪♪♪

ルナ

小説/詩

私が見てきた< >は日常の中に在る
全く気付く事もない
本当他愛のない時間の中から
唐突に現れて奪っていく

この子もそう?
あの子もそう?
その子もそう?
誰もが・・・そう?

すり抜けられるならまだいい
けど、けどね、奪われるのは嫌だ

どれ程見てきただろうか?
この沢山の< >を

気まぐれで奪われたのか
時を刻む針が決めていたのか
私の知らない偉い偉い存在が欲したのか
だけど、そう、結局
 守れなかった、のは間違いない

愛情や欲では救えない、救えなかったそれらに
奪われない時が訪れるなら、もう
この目を見て思い出さないで済む
私が居るのだろうけれど
其れはあり得ない望みであり
希望でもあり、結局受け入れるしかないから

私は時々その眼から眼を反らす
戦えないわけじゃないんだ
諦めているわけでもない
只、辛いんだ
光を失っていく眼を
目の当たりにすることを

口にしたくないなぁ
守れなくて御免って