朝方の古道
昨夜の明方、一雨降ったようだ。ログハウスの窓から望める庭や森の草木樹木達は、恵みの雨に洗われ生き生きした表情をしている。特に新芽を若緑色にアピールしている青年クスノキの溢れるような躍動感は、本当に素晴らしく心が浮き立つ。
また、彼の周りの、李、大梨、柑橘、ビックリグミ、枇杷、等の実の成る樹木達は、先程の小雨を浴びて、嬉しそうに息づいている。特に、私が気にかけているのは、枇杷である。約20年程前だろうか?。食した後の種から、育った。毎年、今年は今年は・・・と、期待し何年・・・。今年こそは、ようやくと実を付けてくれるだろうか?。
今朝も、我がFamilyは、揃ってBreakfastを、嬉しんでいる。そこに、お蝶のいない寂しさを抱えながら。しかし、誰も口にしない。それは、暗黙の了解事なのだ。そんな雰囲気を感じてか、チヤムがいつになく冗談を言っては、笑いを誘っている。
朝食が終った。そのタイミングで、チャムの方から、私を朝散歩に誘う。やはり、お蝶の居なくなった寂しさを、少しでも和らげょうとしているのだろうか。私も、彼の気持ちを察して、即座にOKする。二人して、ログハウスのドアを開け、ベランダへと出てみる。そこから、庭を見下ろしながら、息づく樹木たちに挨拶する。
今朝の目的地は、我が庭の西側を通っている公道に出て、そこを南方向に進み坂の下の平地である。私は、そこに持参したチエアを広げて、静かに腰を下ろした。南側と西側に息づくクスノキの葉間から、木漏れ日が優しく私を包んでくれた。私は目を閉じて、しばし瞑想。そして、古に想いを馳せる。古道を行き交った人々の姿を思い返す。