ぽん太

戦え!!ぽん家 ぽん蔵達の慟哭

日記

な…哭いている…ぽん蔵の心が哭いている…‼
いやぽん蔵だけではない。ぽん奈もぽみ代も…
彼らの魂が血の涙を流しているのが感じられる‼
ポンシロウはマスク越しに彼らの魂の慟哭を感じていた。


奴ら、まだつけてるな…こうなったらあれを使うしかない。

ま、まさか…!禁じ手とされているあれ?あれは…あれだけは…

お前達も分かってるはずだ。ぽん蔵達が何を為すべきかを。

分かってるの?ぽん蔵。あれを使ったが最後、ぽん奈達は先斗の
拳士だった証を剥奪され、未来永劫賊の烙印を押されてしまうのよ‼

親父が倒れた以上、ぽん蔵達は何としてもアレを回収して禁断の間に
行かなければならんのだ…そのためなら喜んで先斗の拳士の名誉も
名も捨てるべきではないのか?

そ、そうね…ここで倒れるわけにはいかないわね。

一度死んで総てを失った身です。賊の烙印も甘んじて受けますわ。

地上の愛と正義のために‼


「ポンシロウ。何をモタモタしてる?」

「ぽん…いや…何でもない。」

「勝負はこれからだ!いくぞ!」
ぽん蔵の連続攻撃をポンシロウは巧みに躱したが、その一撃が電柱を
綺麗にくり抜いた。

「な…?ま、まさか!麺麭斗聖拳か⁉」

「そうだ!先斗神拳は見切れても麺麭斗聖拳までは見切れまい!」

麺麭斗聖拳(ぱんとせいけん):
先斗神拳と対をなし、貫手による刺突や手刀による切り裂き等で
外部からの破壊を極意とする拳法。その強大さ故、先斗の拳士
が麺麭斗聖拳を、麺麭斗の拳士が先斗神拳を使用することは
パワーバランスを崩すため、固く禁じられている。
椪明書房刊『世紀末を生き残った暗殺拳』より

「麺麭斗聖拳を使ったらどうなるか分かってるのか?」

「目的のためには手段は選ばん!」
ぽん蔵は高くジャンプしてポンシロウに迫った。

「そこまで狂ったか!」
ポンシロウもジャンプしてこれを迎え撃ち、空中で2人の攻撃が
交差した後、2人は着地した。

「麺麭斗犯屠拳‼(ぱんと ぱんとけん)」

「先斗飛椪拳‼(ぽんと ひぽんけん)」

後ろを振り返りニヤリと笑うぽん蔵。刹那、

「うあああ‼」
ポンシロウの肘窩と太腿に裂傷が走り、血が噴き出した。
ポンシロウは足の力が抜けてうつ伏せに倒れて変身が解けた。

「ポ、ポンシロウ‼」

「そっちの心配をしている場合なの?」
ぽん奈とぽみ代は高くジャンプして空中で腕を組んだ。

「「麺麭斗藩鷹拳藩羽落爪破~!
(ぱんとぱんようけん ぱんうらくそうは)」」
ぽみ代が空中でぽん奈を振り回し、ぽん奈はその勢いを利用した
ひっかき攻撃を放った。

「ぐあッ!」
ぽん子Ⅱは攻撃を躱し切れず、胸に裂傷を負って蹲った。

「形勢逆転だな。このまま止めを刺してくれるわ!」

「ま、まだまだだ…」
ポンシロウはフラフラになりながらも立ち上がった。

「そんな傷を負って何ができる?」

「忘れたか?先斗神拳は戦場で常に進化するということを。
ぽん子姉、いくぞ!」

「「ああああ~~‼」」
気合を入れたポンシロウの胸の筋肉が肥大して服がビリビリ破れ、
ぽん子Ⅱはボンッ!キュッ!ボンッ!なダイナマイトバデーに
なった。

「何かと思えば椪龍呼吸法と肉体操作ではないか。」

「「本番はこれからだ!」」
更に気合を入れると2人の体は更に肥大し、肥大した筋肉が傷を
塞いで出血が止まった。

「これが新たに開発した奥義、『傷塞ぎ』だ!」
ポンシロウはドヤったが、ぽん蔵達は急にモジモジし始めた。

ポンシロウ達が訝しがって互いの顔を見た途端、
バチコン!
ぽん子Ⅱの手痛いビンタがポンシロウの頬に炸裂した。

「ぽ、ぽん子姉、いきなり何を?」

「姉のカラダで欲情するとは…このケダモノが‼」

どういうことかと自分の体を見たポンシロウはみるみる青ざめ、
頭から血の気が引いた。

そう。胸の筋肉を肥大させて服を破ったまでは良かったが太腿の
筋肉も肥大させていたためズボンはおろかパンツまで破れてしまい、
城のように立派なボ〇レスハム(便宜上、太『ふとし』とでも呼ぼう)
が威風堂々と聳え立っていたのだ。

「このケダモノが!この!この!」
とぽん子Ⅱはポンシロウをどつきまわした。

「「そうよ!お前は女の敵よ!」」
どういう訳かぽん奈とぽみ代も加わり、ポンシロウは3人から一方的に
理不尽な暴力を受けた。

ハッ!
ぽん子Ⅱは我に返った。
「ポンシロウ!しっかりしろ!傷は浅いぞ!
おのれ~!よくもポンシロウを!」

「「「いや、最初にどついたのはお前だろ…」」」

「うるさい!タヒね~!」
ぽん子Ⅱはぽん蔵に襲い掛かった。

「ぽん蔵は攻撃に加わってないぞ。何でぽん蔵にくる?」

「お前もぽん子Ⅱのカラダを見て欲情しただろが~~‼」

「い、いや…そ、そんなことは…ない…」
ぽん蔵は目を逸らしながら必タヒに弁明した。

が、ぽん子Ⅱは胸のボタンが弾け飛び、胸が服の上側から完全に
はみ出すというとてつもなくエロい格好になっており、ぽん蔵もそれを
見て三角テントを張っていたので弁明の余地もないのは事実である。

一方でぽん奈とぽみ代はポンシロウをツンツン突っつき、
「お~い。大丈夫~?」

「だ、大丈夫じゃないで~す…」

「仕方ない。回復するまで待ってあげるわ。」

「か、かたぢけない…」

「あた!」
ぽん子Ⅱの飛び蹴りをぽん蔵は屈んで躱し、ぽん子Ⅱの顔面にパンチを
入れようとしたが、

「ぺっぺっぺっ」
ぽん子Ⅱが唾を吐きかけてきたので思わず拳を引っ込めた。
ぽん子Ⅱはその隙にぽん蔵にパンチを入れようとしたが、

「ふんっふんっ」
ぽん蔵が鼻くそを飛ばしてきたので拳を引っ込めた。

「ぽん子Ⅱとやら。ジャンケンで勝負を決めよう。」

「いいだろう。」

「「ジャンケンポン!」」
結果はぽん蔵の勝ち。

「あっちむいてホイ!」
ぽん子Ⅱはついつられて横を向いてしまった。

「バカめ!隙を見せたな!」
ぽん蔵の廻し蹴りがぽん子Ⅱにヒットした。

「ぽ、ぽん子姉~!」

「おっと!お前の相手はぽん奈達よ。」

素早く着替えたポンシロウは2人を凝視した。
2人ともまだ哭いているようだな。ならば…
ポンシロウは右手をひっかくような形に、左手は貫手を下に向ける
構えをとった。
「タヒ力を尽くさんとポンシロウは倒せんぞ‼」

「「その構えは⁉︎」」

「先斗神拳秘伝椪極輪。この構えの持つ意味はお前達も知って
いよう。」

「「…」」

ぽん奈とぽみ代は羽ばたくような構えをとった。
ポンシロウも両腕をすぼめるような構えをとった。

「「麺麭斗椪破範‼(ぱんと ぽんはぱん)」」

「先斗範撃椪‼(ぽんと ぱんげきぽん)」

2人のひっかき攻撃をポンシロウは後ろに飛退いて躱した。
すかさずぽん奈が追撃の突きを放ったがポンシロウは横に躱して
ぽん奈の頬を殴った。続くぽみ代のひっかき攻撃を前屈で躱して
後ろ廻し蹴りで迎撃したが、

グサッ‼
それでがら空きになった胸にぽん奈の突きが刺さった。

「く…」

「「や、やはり…」」

「「「あ、相打ちか…」」」

「ポ、ポンシロウ~!」
ボゴン!
怒りでぽん子Ⅱの体が更に肥大し、強化装甲を破った。
「ぽん蔵!貴様は杀殳す‼」

「くッ!タヒね‼」
ぽん蔵が放った突きをぽん子Ⅱは掌で受け止めようとしたが
あっさり指が掌を突き抜けた。

ぽん子Ⅱはぽん蔵の拳を握りしめ、反対の手でパンチを放った。
ぽん蔵も掌で受け止めようとしたがぽん子Ⅱの拳は掌を突き破り、
ぽん蔵の胸にヒットした。

「おおお!」
ぽん子Ⅱは拳をグリグリしながら力を込め、

「あ~たたたた‼」
ぽん蔵にパンチの雨を浴びせ、

「あたっ!」
バコッ!
渾身の一撃を放ってぽん蔵をぶっ飛ばした。

つづく

  • 優愛加

    優愛加

    2024/05/19 20:59:28

    今回も読みごたえあり
    このような文章を書ける貴方は凄いです~
    続き楽しみにしています。

  • さくら

    さくら

    2024/05/18 20:16:57

    こんばんは~♬ いや~、今回は笑えましたね~^^ あの難しい攻撃権を叫びながら攻撃をしている様子を思うと・・・コントです^^ 舌を噛みそうです。
    ポンシロウさんは大丈夫なのかな。