うろんころんの雑記帳

うとうと

何にもなかった(と思う)日
目まぐるしく移り変わった日
嬉しいこと悲しいこと腹が立つこと心震わせること
その日、その時、その瞬間
心に刻んでおきたい風景を書き留めています

迷い道での出会い

日記

仮想タウンでキラキラを集めました。

2024/06/10
キラキラ
集めた場所 個数
自然広場 10
神社広場 7


道に迷った。
車社会の当地では、立派な舗装道路で、
道幅も一般の道路と同じなのに、辿っていくと、
人家の前で行き止まり。ということが結構ある。

自宅周辺は昔(聖武天皇の頃)から住居地だったせいか、
道が入り組んでいて、一つ曲がり角を間違えると、
とんでもないことろに出てしまう。

片側3車線に路面電車まで走っている大きな通りは、
歩道も広くていいのだけれど、
広すぎるせいか車が邪魔に停車していたりする。

所用を済ませての帰り道、
徒歩の私でさえ通り抜けできないほどの大きな車が、
歩道にデンと止まっていた。

その前の車一台通れるほどの細道に入ってみた。
自宅方向へ歩いていくと、行き止まりになっていたり、
ぐるりと一周するだけの道だったり、
歩いているうちに方角がわからなくなった。

大通りへ戻ろうと車の音がする方へ未舗装の道を行くが、
細い道は人家を縫うようにくねくねと曲がり、
車の音が大きいからすぐ近くのはずだが、たどり着けない。

うっそうとした森が、朽ちた塀の内側に広がる場所に出た。
山?
こんな市街地に?
昔は由緒ある家だったことを思わせる屋根付きの板塀。
今は空き家か? また行き止まり!

竹藪が入り込んでいる庭には灯篭のようなものもかすかに見える。
と、後ろから女性の声が「どこにいかれます?」
振り返ると白髪の老女が立っていた。

迷い込む人が多い場所らしい。
中学校ならこっち、小学校ならあっち、
と、指さす方角にはあの廃墟の森だ。「行き止まりでは?」
大丈夫、横に細い道が続いているから、通りに抜けられるよ。

珍百景に投稿しようかと思ってるの、あの竹の丈どう思う。
凄い高さでしょ。「確かに田舎の山にしかない高さ」
この一帯の地主だった人の家。もう亡くなったけどね。

木を切ってほしいって言ってるんだけど、
ぜんぜん! 若夫婦が住んでいるようだけど。詮索しないの。

この一帯は昔小高い丘で、大きなニッキの木(肉桂)が生えてて、
子供の頃はニッキの木の根を掘って食べるのがおやつだったわ^^

「根を掘ってそのまま食べるのですか?」
そう、皮も美味しいよ・・そうだ、ちょっと待ってて。
老女は近くの家に入ると、ほどなく手に木片を持って戻った。

もうあまりないから少なくて悪いけど、かじってみて。
彼女がかじるのを真似てみた。
樹皮から独特の甘いニッキの味が立った。
よかったらまた遊びに来て。

老女は廃墟の森の脇まで一緒に来て、道を示し消えた。
うっそうとした森の横を通り抜けると、
大通りから少し入った、車が頻繁に通る道で、
自宅は目と鼻の先だった。

振り返ってもあの森は不思議と見えない。
キツネにつままれたような気分で家に着いた。
手にはニッキの木片がある。

梅雨空のような朦朧とした気配の中で出会った老女。
もう一度あそこへ出られるだろうか。

  • うとうと

    うとうと

    2024/06/13 23:11:00

    にゃんたさん
    な~んだ、にゃんたさんだったのかぁ^^;
    お互いリアルでは知らない同士だもんね。助けてくれてありがとう^^
    また伺い(迷い)ますね。手土産は・・やっぱりお稲荷さんがいいのかな(^ω^)

  • うとうと

    うとうと

    2024/06/13 23:05:32

    光源氏さん
    わぁ~また褒められた(*^ω^*) ありがとう♪
    本当の話、近所にこんなところがあるなんてね。
    出てきたところをもう一度見たけど、通りからは道があるように見えないもの。

  • にゃんた

    にゃんた

    2024/06/13 17:45:34

    こんにちは^^

    この間、窓から外を眺めていたら、見かけない女性が、う=ん、迷い人かな?
    たまあに居るのよね、大通りに出られなくなっちゃう人、と思って、
    お外に出て声を掛けたら、やっぱり迷い人でした^^
    この辺、解りづらいのよね、狐の竹林も有るし、(;・・)ねっ(・・;)

    喉が渇いてるんじゃないかしら?と思って、あっ!ちょっと待ってて
    家に残ってたニッキを取りに戻り、
    桂皮とシナモンが樹皮を使用するんだけど、根の皮はニッキになるのよ^^
    齧って見せて、渡したら、一口齧ってみて、目をまん丸にしてたわ^^

    又会えると嬉しいなぁ~なんて思いながら、見送りました(*'ー'*)ふふっ♪

    うとうとさんだったのね~~(*^^*)、竹林に住む狐のいたずらかしら?
    たまに、良いいたずらをしてくれるのね^^、油揚げでも、置いといてあげようかな?

    なぁんてね。(*'ー'*)ふふっ♪

  • 光源氏

    光源氏

    2024/06/13 04:10:42


     おはようございます(^^)

     わー、本当のお話ですか!
     不思議なお話ですね
     うとうとさん、本読んでいるから
     文章をまとめるのも上手くて
     おもしろいと思いました。

  • うとうと

    うとうと

    2024/06/11 20:47:54

    PiPiさん
    82歳とおっしゃったので、多分この世でのお年かと^^;
    迷ったのが真昼間でよかったわ^^
    まさかお天道様ピカピカのうちからこの世にあらわれない・・と思う^^;

  • うとうと

    うとうと

    2024/06/11 20:42:14

    かずまさん
    関東圏は新陳代謝が激しいというか、あっという間に古いものから新しいものに、
    日々大きく変化していますね。
    こちらは田畑を道路や宅地にするのに下調べすると、古墳や遺構が発見されたりして、
    思うように開発できないようです。
    昔からの市街地は歴史的建造物や偉人の居住地として保存してたりで、
    道路もくねくね迷い道の連続^^; 無事に戻れてよかったです^^

  • PiPi。

    PiPi。

    2024/06/11 20:15:01

    老女はこの世の方だったのでしょうか^^

  • かずま

    かずま

    2024/06/11 06:59:04

    近所の探検、不思議な体験しましたね^^
    自宅の周りは畑や林を切り拓き、新しい住宅が建ち、大きな道路やモノレールが開通し
    小さい頃に通った同級生の家も行き方がわからなくなるほど地図が変わりました^^;

    夢か幻か・・・
    こちらの世界に戻って来れて良かったね^^