モリバランノスケ

宮古島の小蝶

日記

宮古島は、昨日、梅雨が明けた。快晴である。広大に拡がる、白砂の砂浜。寄せては返す大波小波。穏やかである。小蝶とクモ吉は、流れ着いた、流木の上に座りながら、辺りの風景と一体となって、今の瞬間を、全身で感じている。

時刻は午前11時。気持ちの良い微風が、少し汗ばんだ肌を、通り抜ける。何処までも、果てし無く広がる海原。昇りかけた太陽が、ピアノの音を奏でるかの様に、ジヤズやタンゴを思わせる軽快なリズムで、白波を刻む海面をキラキラと照らし続けながら、躍動している.。小蝶は、(心が安らぎます)と、しみじみクモ吉に語り掛けていだ。

その時、二人の背後から、(皆んな集まっていますよ!)と、呼ぶ声が響く。振り向くと、大型犬のクリ<何故か北のアイヌ犬>である。小蝶とクモ吉は、彼の後に従い、ログハウスの方向に歩いてゆく。二人を歓迎する宴が待っていた。

集まっていたのは、お蝶の事を、良く知っていて、親交のあった面々である。小蝶とクモ吉の周りには、ログハウスの老夫婦、宮古島在来種ミヤコウマのタロー.、海亀のカメタロウ、蟹のカニジ、それに、先程二人を呼びに来たクリ。
その他、お蝶と付き合いのあった、多くの動植物、甲殻類、昆虫達が、親しみを込めた眼差しを注ぐ。

小蝶とクモ吉は、思いもかけない歓迎振りに、心底、驚いた表情。最初、小蝶は、少し伏し目がちに恥ずかしそうにしていたが、集まってくれた周りの皆さんに、深々と頭を下げてから、徐ろに、言葉を紡ぎ始める。 

⚪こんなにも多くの方々が、私共の為に、お集まり頂いたなんて、本当に、驚いております。
そして、母のお蝶と皆様との、深く温かな交わりを想像して、大変に感激しております。

私は、かねてより、母の生まれ故郷を訪ねてみたい、と考えていました。未だ、産まれて間もない幼蝶の私です。ですけれど、思い切って出かけてまいりました.。これからは、母の辿った足跡を訪ね、北へ北へと旅を重ねる覚悟です。

明日、次の目的地、沖縄県読谷村に向かいます。ご主人を通じて、ログハウスのログ様に、お願いしました。明日の午後五時、銀河Expressが、今も来ていただいているシキミさんの所、ここの駅に、停車して頂く事に成りました。

これから、時間の許す限り、皆様と親しく懇談させていただく中で、母の想い生き方を、しっかりと、胸に刻みたいと考えております。

今日は、とうぞよろしくお願いします⚪

周りの皆は、小蝶の話を聞きながら、姿形は幼蝶で、幼いけれど、(言うことは、しっかりしていて、大人だ!!)と、いたく感心している。