まったり時間。

しの

ほんのり楽しい、まったり時間。そんな場所。

【お話】希望と夢は、星々の歌。

コーデ広場



希望や夢に、なんの意味があるのかって?

人は良く、そう言うわね。

意味ってなに?

輝きは祝福からやってくるのよ。

そうね、人間の世界では、

こうなれば良いなって、自分勝手な願望もあるから。

それならたぶん、根のない草のようなもの。

起こっても長く続かなくて、いずれ消えてしまうでしょう。

ねえ、でもね。

わたし、空から落ちた星を回収しに来たの。

知っている? 星は夢を歌うのよ。

夜明けの空に。深い夜に。

希望を紡いで、夢を歌うの。

大きな祝福と希望の源が、この世にはあって、

そこからあふれてくる光が、星々の歌声になって地上に届くの。

祝福の源からやってくる希望と夢は、

決して滅びることがない。

人を良い方向へと、導いていく。

そこに根差した夢や希望なら、

いつまでも明るく、世界を、人を照らし続けるのよ。

でも、受け取った人がそれを、

「これは自分のものだ」

「これは自分だけが見つけた」

「誰にも渡さない」

そう言って握りしめてしまったら、

星の光は死んでしまうのよ……。

空から零れ落ちた星のかけらは、

世界に還さないといけないの。

祝福の源へと帰さないといけないのよ。

ありがとうと感謝して、

手放した時に、あなたの元にやってきた希望は完成するの。

不思議よね。

これ?

これはね。

だれにも渡さないと、握りしめたまま人生を終えようとした、ひとりの人の希望のかけら。

最後の最後に、やっと手放すことができたのよ。

だから、ほら。

少し光が弱弱しい。

でも、大丈夫。

あのひとは、手放すことができたの。

世界に還そうと、勇気を奮うことができたの。

だからそれで、

彼の夢は、希望は、

彼の手を離れて、祝福へと向かい、変化した。

世界が、その夢を支えて輝かせたのよ。

これが良かったのか、悪かったのか、わたしにはわからない。

人間にとっては、不幸な出来事だったのかもね。

でも彼の言葉は残ったわ。

小さく、静かに、それでも多くの人の耳に届いたわ。

幸あれ、かけらの希望よ。

ありてあれ、世界よ。

祝福あれ、我欲ではなく、大いなる希望へと星のかけらを昇華した、小さき人の子の行いに。

こうして世界は続いていく。

こうして世界は美しく変えられていく。

わたし、見ていたの。

見ていたのよ。


* * *



イメージとしては、アンデルセンっぽい感じ。あと、旧約聖書の詩編とか。

サムシンググレートと言う人もいるけど、人の理解できないどこかに大きな祝福の源があって、そこからやってくる光が人に宿り、希望となる。

でもそれを、自分だけのものだと握りしめて、人に渡さないとしてしまったら、

それだけのものになってしまう。

受け取った祝福の光は、感謝して世界に還す。

そうすることで二倍、三倍に増えていく。

手放すことで完成する。それが本当の希望。そういう話です。