【お話】希望と夢は、星々の歌。
地上に落ちた星を探しにきたの。希望と夢を歌うかけらだから。輝きを壊さないように、空に帰すのよ。
もらったステキコーデ♪:30
希望や夢に、なんの意味があるのかって?
人は良く、そう言うわね。
意味ってなに?
輝きは祝福からやってくるのよ。
そうね、人間の世界では、
こうなれば良いなって、自分勝手な願望もあるから。
それならたぶん、根のない草のようなもの。
起こっても長く続かなくて、いずれ消えてしまうでしょう。
ねえ、でもね。
わたし、空から落ちた星を回収しに来たの。
知っている? 星は夢を歌うのよ。
夜明けの空に。深い夜に。
希望を紡いで、夢を歌うの。
大きな祝福と希望の源が、この世にはあって、
そこからあふれてくる光が、星々の歌声になって地上に届くの。
祝福の源からやってくる希望と夢は、
決して滅びることがない。
人を良い方向へと、導いていく。
そこに根差した夢や希望なら、
いつまでも明るく、世界を、人を照らし続けるのよ。
でも、受け取った人がそれを、
「これは自分のものだ」
「これは自分だけが見つけた」
「誰にも渡さない」
そう言って握りしめてしまったら、
星の光は死んでしまうのよ……。
空から零れ落ちた星のかけらは、
世界に還さないといけないの。
祝福の源へと帰さないといけないのよ。
ありがとうと感謝して、
手放した時に、あなたの元にやってきた希望は完成するの。
不思議よね。
これ?
これはね。
だれにも渡さないと、握りしめたまま人生を終えようとした、ひとりの人の希望のかけら。
最後の最後に、やっと手放すことができたのよ。
だから、ほら。
少し光が弱弱しい。
でも、大丈夫。
あのひとは、手放すことができたの。
世界に還そうと、勇気を奮うことができたの。
だからそれで、
彼の夢は、希望は、
彼の手を離れて、祝福へと向かい、変化した。
世界が、その夢を支えて輝かせたのよ。
これが良かったのか、悪かったのか、わたしにはわからない。
人間にとっては、不幸な出来事だったのかもね。
でも彼の言葉は残ったわ。
小さく、静かに、それでも多くの人の耳に届いたわ。
幸あれ、かけらの希望よ。
ありてあれ、世界よ。
祝福あれ、我欲ではなく、大いなる希望へと星のかけらを昇華した、小さき人の子の行いに。
こうして世界は続いていく。
こうして世界は美しく変えられていく。
わたし、見ていたの。
見ていたのよ。
* * *
イメージとしては、アンデルセンっぽい感じ。あと、旧約聖書の詩編とか。
サムシンググレートと言う人もいるけど、人の理解できないどこかに大きな祝福の源があって、そこからやってくる光が人に宿り、希望となる。
でもそれを、自分だけのものだと握りしめて、人に渡さないとしてしまったら、
それだけのものになってしまう。
受け取った祝福の光は、感謝して世界に還す。
そうすることで二倍、三倍に増えていく。
手放すことで完成する。それが本当の希望。そういう話です。