ルッコラのひとり言

ルッコラ

不慣れなもので 思いつくまま気の向くまま・・・ 

「アルツ村」南杏子

日記

主人公はDVの夫から必死の思いで娘と一緒に逃げ出した・・・

途中、運転中のちょっとしたクラクションからあおり運転の被害にあい
逃げ惑ううちに自損事故を起こして気を失う・・・
気が付くと床に寝かされていて、そこがアルツ村でした

北海道の地図にも載っていない奥地
そこでは皆自由にのんびりと暮らし
畑を耕したり、猟に出たりして好き勝手に生活してます
食糧や生活用品は「バンショウ」さんという世話人が毎日一軒一軒配ってくれ
ゴミも回収してくれます
バンショウさんは住人同士のトラブルなど何か問題があれば駆けつけるし
常勤の医者がいて定期的に健康診断にも来てくれる
入村する際に家族と契約を交わし、村の住所も明らかにされないし
家族と会う事も出来ない姥捨て山のような謎の多い村を主人公は調べ始める

外国資本による土地の買取や認知症患者を抱えた家族の苦悩と崩壊、
老々介護やヤングケアラー問題など・・・
高齢化社会まっしぐらの日本の現実を浮き彫りにする

又、受刑者が入いる刑務所は税金から成り立っているという事実から
結果的に被害者が加害者を養っている事にならないかという問題提起があり、
なんと!罪を犯した人は全員無人島に送られ自給自足を強いられるという
思い切った法案が可決されてる世界、いわゆる島流しですね
生きるか死ぬかの苛酷な生活に皆無人島に送られるのを恐れ
結果的に犯罪率が激減する
生活保護法も撤廃され皆働かざるおえなくなり
どんな仕事でもやるようになって外国人労働者がいなくなるw

このアルツ村の入村条件は認知症であること!
終生いられるこの村は病院や施設でベッドに寝たきりにされていたり、
家族の厄介者になってしまった人にとっては楽園ですが、
それには秘密がありました

そして、最後の意外な展開には驚きです

読み終わって・・・
こんな村があってもいいと思う(๑¯Δ¯๑)/