ジュンチャンと世界を巡る 第57回はハイチ
西インド諸島の旅は続いていますが、今回は大アンティル諸島の国々(キューバ、ジャマイカ、ハイチ、ドミニカ共和国)の中から「ハイチ」を紹介します。
ハイチは中央アメリカの西インド諸島に含まれる大アンティル諸島のイスパニョーラ島西部を領土とする共和制国家で、東にドミニカ共和国と国境を接し、カリブ海のウィンドワード海峡を隔てて北西にキューバが、ジャマイカ海峡を隔てて西にジャマイカがあり、首都はポルトープランスです。
面積は2万7750平方キロメートルで、人口は1126万人ほどです。
紀元前4000年から1000年まではインディアンのアラワク人(タイノ人)が南アメリカ大陸のギアナ地方から移住してきて、島は五つのカシーケ(酋長)の指導する部族集団に分かれていました。
1492年にクリストファー・コロンブスがイスパニョーラ島を発見したときはまだ先住民のアラワク人が住んでいましたが、それから四半世紀のうちにスペインの入植者によって絶滅させられました。
その後金鉱山が発見され、インディアンのカリブ人が奴隷として使役され、疫病と過酷な労働で次々と死んでいき、その後、スペインは主に西アフリカの黒人奴隷を使って主に島の東部を中心に植民地の経営をしました。
島の西部はフランスが1659年以降徐々に占領していき、1697年に島の西側3分の1はフランス領とされたのです。
この部分が現在のハイチの国土となり、フランスはアフリカの奴隷海岸から連行した多くの黒人奴隷を酷使して、主に林業とサトウキビやコーヒーの栽培によって巨万の富を産みだしました。
1803年、ハイチはイギリス軍の支援を受けてフランス軍を駆逐して、翌年の1804年に世界初の黒人国家として独立を宣言しました。
このハイチ革命はカリブ他島の同じ黒人奴隷の植民地に非常に大きな影響を与え、ハイチはその後もイギリスやアメリカの干渉を受け度々衝突を繰り返し数奇な運命を辿りますが、安易に屈せず自国の独立を守り抜き今に至っています。
ハイチは人口のおよそ9割が、植民地時代に奴隷としてアフリカから連れて来られた人々の子孫です。
ただ、 ハイチは植民地時代は世界で最も豊かで生産的な地域とも呼ばれていましたが、現在では西半球でも最も貧しい国と言われており、国民の80%は劣悪な貧困状態に置かれていて、人口の約4割は慢性的に栄養失調状態にあるといわれていて、まるでアフリカの国のようです。
イスパニョーラは山の多い島で、島の1/3を占めるハイチも山や海の自然に恵まれていますが農地には向かず、ほんの少しの平地部分を中心に首都ポルトープランスの街が広がります。
自然だけを見ていれば美しいハイチですが、現実は悲惨なもので道はごみ箱同然でひとたび雨が降ればその道が川となり、そこを歩く人々はひざまでごみ川に浸かって、流れたゴミはそこらじゅうに広がって山になります。
それでは、この国の観光地を紹介します。
まず2017年時点でハイチ唯一の世界遺産である国立歴史公園、この世界遺産は「シタデル(要塞)」「サン・スーシ(宮殿)」、「ラミエ(国立公園)」の3つの構成資産からなっています。
シダデルは世界遺産指定をされている、19世紀に当時の国王によって建造された城塞跡で、坂が急なのでロバに乗って観光をする方が多いです。
サン・スーシはシダデルと共にハイチのツアーで必ず訪れる人気の定番スポットで、19世紀の初めごろに国王アンリ1世の居城として建てられました。
パリのヴェルサイユ宮殿をモチーフとして建てられたと言われているバロック様式のお城で、当時の華やかな暮らしをしのぶことができます。
そしてハイチ南西部のジャクメルですが、ここには信じられないほど魅惑的な青い色をした池「バシン ブルー」があります。
レンタカーやバイクで行くことができますが、徒歩でも行くことは可能で、地形は険しくたどり着くのは大変ですが、池の美しさを見た瞬間はそんな苦労も忘れてしまうとか。
この国はアメリカの近くにあるとはいえ、アフリカ並みの国で、そういうふうに考えれば楽しい旅ができそうです。
皆さんは、ハイチのどこを旅してみたいですか。
ジュンチャン
2024/09/07 14:16:21
中南米の国々を久美子様と旅出来て
釣り師はとてもhappiiです。
これからも、中南米の国々を一緒に歩きましょう!!
久美子
2024/09/07 11:16:53
カパイシャンのノートルダム大聖堂を訪ねたときミサの最中で、聖堂内をゆっくり見たいのでミサが終わるのを待っていました。ミサが終わると牧師に手招きされ傍に行くと、この教会を訪れた4人目の日本人だと紹介されました。
ポルトーフランスの渋滞の中、パトカーに先導されて高台のペシオン地区に行きました。眺望を期待したのですが、霞んでいてよく見えませんでした。お茶だけ飲んで戻りましたが、見晴らしの利くときにもう一度訪れてみたいですね。