あなたに会えてよかった♪

けーすけ

なんでも思いついたことを書いてます^^

【第12話】シン・ラジオ・ガール

自作小説

「だからさ… そんなに急ぎ足になるなよっ 付いて行くのが大変じゃないか!」

「先輩はそんなんだからダメダメなんですよ。それくらいの荷物を持つだけで息が上がってるじゃないですかぁ。男子たるもの、体力をつけとかないとっ!」

来週からの合宿、その準備のため。
マッキーはマイカーのエルグランドを点検に出すため、カーディーラーに。
で、俺は甲斐名都と一緒に合宿の買い出しに出かけたのさ。

で、甲斐名都の制服じゃない姿を初めて見たんだけど…

すっきりしたグレー系のAワンピに、足首までの短い白いソックス。
で… びっくりしたんだけど

「麦わら帽子って、そんなのオマエ、持ってたんだな」
甲斐名都は得意そうに顎を上げて
「ふふっ いいでしょこれ。似合ってるでしょ」

勝てねーなあ(笑)

買い出しと言っても、そんな大したものはないだろうと高をくくってたんだが、甲斐名都は
「ほらほらっ 夜の天体観測にはレジャーシートがマストでしょ!」
「いくら合宿場所が高原だからって、冷却スプレーは…」
「屋外だからバーベキューコンロも要りますよね?」

「おい…で、部費予算で賄えるのか?」
心配になって聞いてみたんだけどさ…

「大丈夫です!先輩が真面目に部活やってなかったから、生徒会から支給される活動費がまるまる余ってます! ほら、こんなにっ!」

目の前に差し出された一万円が3枚… まぢか(-_-;)


何だか楽しそうな甲斐名都。ショッピングセンターの中、俺の前を意気揚々と闊歩する姿は(控えめに見ても)輝いていたんだな…

その時さ

「あなたたち、私の前から消えなさいっ!」

後からいきなり声がしたんだ。

ん… 誰? なに? なんなんだ?

振り返る俺と甲斐名都。

するとそこには(場違いなくらいふわふわドレスを着た)背が高い女子が立っていたんだよ。
腰に手を当て、ややかがんで俺たちを刺すように見てる。

「えっと… 消えなさいって…」
「あのぉ… 消えなさいって…?」

俺たちの声が同調したのは、あとで考えたらちょっと笑っちゃうかもだった。

「私が買い物をしてるのよっ!邪魔しないでくれないかしら?」

高慢な表情で、笑う姿。
けっこーキツそうだけど、よく見ればすっげー美少女なんだわ。

「えと、ここは貴女専用の場所なの?そうじゃありませんよね??」

気が強いことに関しては、全くひけを取らない甲斐名都。相手の女子と同じ格好になり、腰に手を当てて顔を突き出してさ。

こぇぇぇぇ…

「あら…あなたも○○高校かしら? ふふっ… じゃあ私のこと知らないのっておかしくない?」
蔑むように笑ったその女子は、甲斐名都に指を突き出して。

「○○高校だってのはその通りですよ。でも、貴女なんて私知りませんし?」

甲斐名都も負けじと指を突き出す。

なんだなんだ。
平時の買い物なんだぞ?
何でこんなふうにトラブルが起こるんだあ?@@

「知らないのなら教えてあげるわ。
私は、○○高校の最高のアイドル、男子人気ナンバーワン、そして大富豪の伊藤財閥のご令嬢、2年の伊藤聖子よっ!!
(ヲイ、そこまで自分で言うか…?)」

バチバチに火花飛ばして対峙する、甲斐名都と伊藤聖子。

「それがどーしたんですかっ!2年なんですねっ!私は1年の甲斐名都… 
2年なんて、年増ですよねっ!

甲斐名都の左フックが相手の顔面を捉えたのが分かったさ(-_-;)

(続く