八犬伝
今日は久しぶりに映画館に行きました。
目的は「八犬伝」。
テレビで宣伝していたのを観て知りました。
南総里見八犬伝を読んだのは中学生の時。
子供ながら、なかなか残酷な描写と、
勧善懲悪ゆえに少しばかり型にはまり過ぎた表現が気にはなりましたが、
流石江戸時代のベストセラーで記憶に残る面白さはありました。
と言ってもほとんど忘れ、リピートしなかったのですが。
懐かしさと、滝沢馬琴と北斎の現実も描くというので興味がありました
感想として、これはこれでありだし面白かった。
八犬伝の内容だけではなく、実の世界の馬琴の人生が入るのが良かった。
鶴屋南北や、当時の歌舞伎も出てきた。
八犬伝の内容は変えてきていますが、
映画でしかも八犬伝はその中の半分くらいの時間なら仕方ないかと。
観賞している私からだと、八犬伝も馬琴も虚の世界、馬琴の世界では八犬伝が虚の世界、
南北に言わせるならまた別の意見。
確かに私から見る八犬伝の筋書きには改変や大幅なカットがありますが、
私から観る虚の世界の中にある虚の世界ならば、それもいいじゃないか。
馬琴の家族、奥様にも、息子さんにも、お嫁さんにも、お孫さんにも。
馬琴に対する思い、愛情、辛さがそれぞれの演技で感じられ、
きっと賛否両論あるんだろうけど、私は良い映画だなとしみじみと思いましたし、
泣きたくなりました。
でも、八犬伝を読んでいない人にはちょっと分かりにくいかも。
八犬伝の内容がおぼろげでも覚えていて、カットされていくストーリーと、
なんとなくでも作品全体の雰囲気を承知していないと、
退屈に感じるかもしれません。
八犬伝を読みなおしてから、もう一度見たくなるような映画でした。
個人的に、馬琴と家族の場面と、馬琴と鶴屋南北の議論がとても良かった。
八犬伝読んで、鶴屋南北の作品も観劇しようかしら。