ゆめかの

【小説】友達の扉 その⑩ 金髪

自作小説


ーーーー学校
ーーーー教室の前

私は茶色い髪に天然パーマのままだった。
また、薫子先生に嫌味言われるんだろうな。。。。。

ドアの前で立ちすくんでる私に後ろから、上田君が声をかけてきた。
「おはよっ、市原。」
振り向いた私は声を失くした

金髪ーーーーーーー!!!!!!!

上田君の髪は見事に金髪に染められていた。

上田君は平然と教室に入っていった。

クラスがざわめいた。

「上田!どないしてん?その髪!」
「薫子先生に怒られるぞ。」
「下手すると停学だぞ!」
「どうして、まじめな上田君がそんなことしたの?」

上田君は冷たい視線でぼそっと言った。
「おまえら、髪の色の違う奴とは、しゃべらないんじゃないにかよ。」
「現におまえら、市原の事、無視してるだろ!」

それを聞いて、私は、私の為に上田君は髪の毛を染めたんだってうぬぼれてしまった。
でも、それは、うぬぼれではなかった。
上田君は私に向かって言った。

「市原、オレと友達にならないか?」
「おしゃべりしたり、一緒に弁当食べたりさ。」

私は、嬉しくってその場に泣き崩れた。
そんな私の頭を上田君はやさしくなでてくれた。

                (つづく)