夢香

【小説】真夏の罪 その② 花火大会①

自作小説


花火大会当日。

「陽斗君、コロナ、大丈夫なのかしら。」
おかあさんも陽斗君の心配をしてくれていた。
「熱以外、症状ないらしいし、さっき電話でしゃべったけど、元気そうだったよ。」
「それにしても、真夏にコロナだってねぇ。」
「美桜も今日の花火大会楽しみにしてたのに、残念ね。」
「おかあさんと行く?w」
「陽斗君がしんどい思いしてるのに、そんな気になりません!」
「はいはい。」
「あっ、美桜買い物頼んでもいい?」
「いいよ。どうせ暇だし、何かしてた方が気がまぎれるし。」
「じゃ、これ、お願いね。」
といって、買い物のメモを渡された。

私はお母さんの代わりにお昼ご飯と晩ご飯の材料を買いにスーパーに行った。
その帰り、香月君に会った。
「よっ!岩崎。買い物か?」
「...うん。」
私は暗い表情をしていたみたいだった。
「ん?元気あらへんな。どないしてん?」
香月君ってこういうとこ敏感で優しいんだよね。
「陽斗君が、コロナになっちゃったの...。」
「あららら、真夏にコロナとは、可愛そうに。」
香月君は何か思いついたように話を続けた。
「今日ってさ、花火大会だよな。」
私は寂し気に答えた。
「陽斗君がコロナじゃなかったら、一緒に行くはずだったんだ。」
「そっか、それは残念やな。」
「そうや。俺と花火見に行くか?」
香月君は思い立ったように私を誘ってきた。
「えっ?」
「陽斗には俺から言っとくよ。」
「なっ、そうしよ♡」

私はOKしてしまった。
どうして、断らなかったんだろう...

「夕方5時半に駅で待ち合わせな♡」
そう言って香月君は帰って行った。

私は買い物を終えて家に帰った。

「おかあさん、道でパルちゃんと会って、夕方、一緒に花火見に行くことなったの。」
「そう、よかったわね。美桜、花火見たがってたものね。」
はじめて、おかあさんに嘘をついた。

おかあさんは、はりきって浴衣を着せてくれた。


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