夢香

【小説】先生を好きになってもいいですか? その⑱

自作小説


その日の夜、美鈴から私に電話があった。
「もしもし、望。」
私は、夜遅くの電話にビックリした。
「美鈴!大丈夫なの?」
私の心配をよそに、美鈴は、明るい声で話し始めた。
「今日はありがとう。」
「望が私の妊娠のこと、三上先生に伝えてくれたから、三上先生が家まで来てくれたの。」
「そして、赤ちゃん産んで欲しいって言ってくれたの。」
「私、嬉しくって、嬉しくって...」
「まだ、パパは、許してくれてないけど、中絶の手術はキャンセルすることになったの。」
「これって、産んでいいってことだよね。」
私は、ずっと、美鈴は三上先生に遊ばれてるって思ってたから、ホッとした。
「うん、うん。よかったね。美鈴。」
「今日は、もう、遅いから、ゆっくり休んでね。」

次の日学校で三上先生に会った。

私は、三上先生に腹パンチをしてこう言った。
「三上先生、美鈴をよろしくね。」
三上先生は嬉しそうに
「ああ、俺が幸せにしてみせるよ。」
って言った。

放課後、三上先生は、クラブを休んで、美鈴の家に行った。

美鈴が嬉しそうに、三上先生を招き入れた。
美鈴のお母さんは、
「今日は、美鈴の調子がよくって、ごはんもしっかり食べたんですよ。」
って、美鈴の様子を伝えた。
「中野、明日くるとき、なにか持ってくるよ。食べたいものとか、欲しいものはないか?」
って、三上先生は美鈴を気遣った。
「三上先生が来てくれるだけでうれしい。」
美鈴は、本当にしあわせそうだった。

三上先生が美鈴の家に来るようになって、何日か過ぎた日、美鈴のお父さんが、一緒にご飯を食べようと誘ってくれた。
食事をしながらお父さんは、
「三上君、君のことを信じようと思う。娘をよろしく頼む。」
と言ってくれた。
その言葉は、三上先生も美鈴も嬉しい驚きだった。
「ありがとうございます。」
「ありがとう。パパ。」
お父さんは厳しい声で、続けた。
「学校の方にも、報告しなければ、いけないな。」
「しかるべき処分はあると思うが、大丈夫か?」
三上先生は真剣な顔で、
「はい。覚悟はできてます。」
「中野との未来の為です。どんな処分でも受ける覚悟でいます。」
と返事をした。

三上先生は、生徒を妊娠させたということで、学校を辞めさされることになった。
美鈴は、自主退学をした。


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