ヘルメス

ヘルメス

昔、昔ギリシャにゼウスという神がいました。
その末っ子の名前はヘルメス!
その800代目の子孫が僕ちゃん!
決して嘘八百ではありません。
自由気ままな僕は泥棒や山賊の守り神

行き止まり

小説/詩






人は永遠の友情とか、永遠の愛とか言うが

辿りつけない永遠より

触れる柔らかい行き止まりがいい

永遠を夢見るのと現実を受け入れるのは矛盾しない

人は理想を追い求めるだけではない

赤ちゃんは羊水の海で

母親の胎内の壁を蹴って安心する

だれも赤ちゃんの頃を覚えてはいないが

壁を感じることで心音が安定するという

人はこの世に生まれた瞬間

「永遠」と言う罠にとり囲まれる

まるで麻薬のように

何かに手招きされているかのように

永遠を見るために

さあ目を開けなさい 愛しい人よ!

闇に慣れた目が眩しそうにうすく開かれると

おぼろげな柵は取り払われた

以来、時の外に暮らす昔話や

夢の奥に消えていく小道や

水溜りに映る空の青さが

永遠と果てしなき夢を人々に注ぎこみ続けた

しかし、永遠が相対化された今

ボロボロになった永遠をしまうのだ

なつかしい胎内の闇から太古の海へ

浮遊していく自分を感じる

世界がどんなに揺れても手を伸ばせば

やわらかい行き止まりが守ってくれる











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