まどろみ

指の折れる音

日記

彼女の言葉は、
赤い絹糸のようにわたしの皮膚をいた。
答える声は持たず、ただ熱だけが
わたしの指先に溜まっていく。

愛と呼ばれる儀式を拒むたびに、
指が折れる音がする。
触れないことでしか、
美しさを保てない関係があるのだ。

香水のように満ちる夕暮れ、
ガラスの舌で味わう傷口
そこにしか、
ほんとうのぬくもりはなかった。


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  • りり

    りり

    2025/07/24 08:00:28

    難しいですよね、関係性を保つのは。。。
    美しさとは…問いたくなりそう。