まどろみ

独りの部屋

日記

夜が壁を這ってくる
時計の音だけが 
この部屋の時間を信じている

カーテンの隙間に月の骨
うすい影が
私の輪郭を なぞっては消す

声を出せば、沈む
沈黙は ここでは王だ
名もない感情たちが 
椅子の上で膝を抱えている

独り――
という名の 
柔らかい檻

誰も触れない
けれど誰よりも 
私をよく知っている


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