まどろみ

虚空のかけら

日記

ひとつ拾えば ただの石
ふたつ拾えば やっぱり石
みっつめでようやく 宇宙のざわめきが聞こえた
──ポケットが裂けた

哲学者は額に深くしわを寄せ
詩人はノートを濡らし
犬だけが 軽やかにそれをくわえて走り去る

「これは虚空の残響だ!」
叫んでみたが 風に消え
聞いていたのは隣人だけ

その夜 机の上に
欠片がきちんと並んでいた
どうやら集めていたのは
私の方ではなかったらしい


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